僕の住んでいるカリフォルニアでのこと、と最初にお断りはしておくが、日本車に寄せるアメリカ人の信頼感は鉄板である。もう標題に対する答えが出てしまったが、日本車に乗らない人でもそのこと自体に異論を差し挟むことはないと思われる。では何故そんな「信頼の日本車」に乗らない人がいるかと言えば、自分の予算からすると高いか、逆に日本車では自分の「高いステータス」にマッチしないと考えるか、といった問題がなければ恐らくデザインが嫌いという人が圧倒的だろうと思う。

僕個人の感想でも、確かにデザインは欧州車や韓国車に劣ると感じる。車種によっては著しくダサいと思うこともある。僕の乗っている2005年製のHonda Civic Hybridは、デザインは凡庸なうえに色が「爺臭さ」の代名詞であるゴールドだったこともあって(アメリカでは好きな人もそれなりにいるけど)、僕の感性では拒否感さえあったし、2005年製であっちこっちに傷があるのに2012年秋の時点で100万円という価格は最初「ありえない」と思ったのに、結局買った。そして満足してさえいる。

拒否感さえ感じた車を何故買い、何故満足しているのか。それはやはりアメリカで車に乗るに当たり、安心感こそが最重要ファクターだったからだ。

僕の希望は日本車のハイブリッドだった。高年式のプリウスが理想だったがやはり高い。シビックの2005年製の100万円という値段も日本の感覚では高いと思ったが、アメリカの相場的には極めてフェアな価格だったし、何しろそれを逃すといつ日本製ハイブリッド車が出てくるかわからなかった。加えて移住後レンタカーに頼っていて早く自前の車が必要だった僕は、デザインを諦め「信頼」を取ったわけだ。

皆さん恐らく御存知の通り、日本車は容易に故障しない。燃費は圧倒的にいい。そして他国製は壊れる。アメ車と韓国車は特に壊れる。それをアメリカ人は肌で感じて知っている。

僕は仕事がら、繁忙期はiphoneを巡って毎日当たり前のように100km以上走る。その際全米でも屈指の幹線道路であるI-405を使うことが多いが、毎日、しかも1日何回も、路肩に故障車両が止まっているのを見るし、片側7車線の道路のど真ん中でエンストしている車も実に沢山見ている。しかし驚いたことに、これまでその故障車が日本車だった例は皆無だ。

逆に、1980年代や90年代の古い日本車が結構普通に走っている。というか、今現在走っている80年代や90年代の車は、ほぼ全て日本車だ。最新の他国製は故障して路肩にいるのに、80年代の日本車がその脇を通過していく光景を毎日目撃しているアメリカ人は、デザインやステータスへのこだわりがなければ自然に日本車を第一選択肢とする。まあ当然のことだろう。

なお、2013年10月、このシビックは交差点を左折中に信号無視で突っ込んできた車にバンパーをえぐられるという事故に巻き込まれたが、修理を経て今も健在で信頼に答えてくれている。

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