アメリカという甘美な幻想

南カリフォルニアはオレンジ郡に住むオヤジです。妻共々サラリーマンでしたが、2011年にグリーンカードが当たり、アメリカへの憧れに抗しきれずに2012年10月に移住してきました。個人輸入代行やコンサルタントを生業にした後、2016年からは会社員(人事、法務など)に。移住する遥か前から積み重ねてきた様々な「アメリカ体験」も含めて文章に残すためにこのブログを書いていますが、会社員復帰以降は忙しすぎて更新は稀に。。。面目ない。

購入

忙しかった。いやマジで。

明けましておめでとうございます。。。って、遅すぎですね。
 

忙しさという意味で凄まじい2016年が凄まじいまま終わり(1231日、冬期休暇の中自宅で仕事をしていたワタクシ)、なんだかわからないまま2017年が来、4日からまた忙しい日々が始まった。もう「忙しい」という言葉は本文だけでは足りないのでタイトルにも入れてみた。

と書いていたのは、実は1月7日くらいのこと。ここから下の文章も基本はその頃に書いたもの。でも、忙しくてフィニッシュできず、今日1月24日火曜の朝に、やっと完成に向けて再度書き出した。何でそんな時間があるのかと言えば、昨夜から体調が悪く、午前中は会社を休むことにしたため。寝てなきゃいかんのだが、未完成のまま1月が終わるのは避けたくて書いてます。

 *** 


何もこの忙しさは仕事由来だけではなかった。このブログで以前に書いたように、昨年3月くらいからぼちぼちやっていた家探しは、糞忙しい11月に一応満足できる物件が見つかったため「逃してはならじ!」と購入に踏み切ったことで、そこから日本とは全然違う複雑・煩雑な購入手続きに長期間追われてしまった。

 

かてて加えて、それまで住んでいた家(2012年の渡米時に買ったもの)は売らないで貸すことにしたことで、とんでもない重荷を抱えた。そもそも新しい家の購入に必要な頭金は、渡米時物件を売って作るつもりだったが、それを担保に金を借り、新しい家の頭金に使うことにし、借りた金の返済は店子からの家賃収入で賄うという作戦を妻が考えたことでこの苦行は始まったのだった。

なんか複雑だな。要はこういうこと。

 1)渡米時に買った家を担保に金を借りる(ローン1)
 2)その金を新しい家購入の頭金に使う
 3)渡米時購入の家を人に貸し、その家賃収入はローン1の返済に充当
 4)新しい家のローン(ローン2)は普通に払う
 

 つまりワタクシ、今ローンを2つもっているわけ。でもローン1は店子からの家賃で払っているので、実質ローンは1個だけってわけ。


なんでこんなことをしたのかと言えば、詳しくは別の機会にお話しするが、確かに様々なデータからは、家の価値が長期的に見るとずっと上昇している南カリフォルニアでは、渡米時物件を現在の市場価格25万ドル(約2700万円)で売るよりも、手放さずに担保にして銀行から必要額(11万ドル≒1200万円)を借り、これを頭金に使う方が賢いと判断できたからだ。

問題は、その決断のせいで今度は大家として渡米時物件の借り手探しをしなければならなくなったことだった。それで
以下のことを同時に進めることとなって、忙しさに拍車がかかった。

 

1)新しい家に問題がないかとかを調べる実地検分(売主との丁丁発止)

2)渡米時物件を担保にローンを借りる手続き(金融機関との手続き)

3)新しい家を買うためのローン手続き(金融機関との手続き)

4)新しい家の購入それ自体に関する手続き(売主との契約)

5)渡米時物件の借り手探し(Craigslistを作成し、募集)

  ※Craigslistとは無料の情報掲示板みたいなもの

6)Craigslistを見て連絡してきた人への問いわせ対応(メール、テキスト)

7)その中でも物件を見たいという人のための内覧会の開催

8)店子の選考(彼らの収入や仕事などから借り手を決める)

9)賃貸契約書の作成・締結

 

 

ね?ただでさえ仕事が糞忙しい中、こんな案件を抱えたらどうしようもないですわな。。。

 

まずは1)から4)についての状況を説明しよう。

 

そもそも、買いたい家が見つかれば、まずはその家がどんなコンディションかを調べる。専門家とともに家を見る(診る)のである。すると色々な問題がわかるが、その状況を基に①売主に直すように言うか、または②こっちが直すから直すための金を出せと言うか、または③値段を下げるよう交渉する。当然売主とは神経戦になる。

 

しかし次からが本当に大変だ。アメリカの不動産売買は、とにかく日本と違い煩雑で素人では意味が分からない。だから自己売買は全然活発じゃない。その代わり売主買主双方のエージェントが活躍するのだが、現代ではスマホ上でほとんどの契約手続き(電子署名)が出来るようになっているため、不動産ブローカー、ローン会社、エスクロー(登記屋)から、仕事中も会議中も容赦なく電話、メール、テキストがジャンジャン入ってくる。

 

しかも、もしこれを無視して手続きが遅れると、下手すれば売買契約やローン契約が無効になるから、11月以降はいちいち仕事中に社外に出てスマホでピコピコ手続きをしてたものだった。そんなことが1か月続き、12月に入ってやっとすべての手続きが終了した。

 

そして5)以降だが、渡米時物件を売らずその大家になることを選択したため、まずやったのがCraigslistの「家を貸しますセクション」用に文章を作り、家の写真を撮って載せることだった。空き家期間を可能な限り短くしたかったので、相場より少し安めの値段設定にしたら反響が抜群によく、山ほど(30組以上)来るメールでの問い合わせに毎日忙殺され、そして土日(2週分)は多くの希望者に家を見せることになった。結局15組が実際に土日に家を見に来、11月の終わりに店子が決定した。

 

しかしそれだけでは終わらない。9)の契約書のパートだ。僕は不動産屋に管理を委託しなかったので、旧我家のリース契約書は自分で作るしかなかったのだ。テンプレートは山ほどネットに転がっていたが、それをそのまま適用できるわけではない。

 

「こんなんでいいのか?通じるのか?」

「ネイティブの店子が理解できるのか?」

「文句は言われないのか?」

 

と不安いっぱいな中、都合20時間以上かけ、自分の貸す家の状況に合わせ様々に条項をカスタマイズし、店子にこれを示した。すると意外や意外、すんなり受け入れてもらえ、1210日に契約は成立し、僕らは129日までに引っ越しを完了し、店子は10日に僕らが4年住んだ家に移り住んだ。ここだけの話、僕の契約書はどうみてもいい加減にしか思えないが、店子も契約書なんて読んじゃいないのだ。ネイティブがどうのこうのではなく、どの国でも普通の人は契約書なんて斜め読み程度なんだろうと思う。

それ以降も、引っ越ししたことで新居関係のことでバタバタし、仕事は無茶苦茶忙しいままあっという間に年が明け、そしてあっという間に今日(1月24日)になった。そして体調を壊し、寝ればいいのに今これを書いている次第。


ところで今冬、南カリフォルニアは異常気象ともいえるほど雨が降り、そして寒い。僕にとっては渡米以来5度目の冬シーズンだけど、いくら雨期とは言えこんなに天気の悪い南カリフォルニアは初めてで、既に20年こっちに住んでいる会社の同僚も「こんな冬は初めてだ」と言っているほどに悪天続きだ。

でも、そのおかげで長年続いてきた干ばつ状況がかなり緩和されたらしい。これは基本いいことだ。そして僕はと言えば、雨降りの休みの日に結構自宅で仕事をした。普通に土日に遊んでいたら仕事が間に合わないってときもかなりあったから、実はその意味でも悪天はそう悪いことでもなかった。

ではまた次回に。その時は、少しは写真も載せたりとか楽しいものにします。

渡米前に家を買う

アメリカ西海岸、しかもロサンゼルス以南100km程度の知識だが、アメリカの賃貸物件は思った以上に高い。僕の事務所兼自宅は1990年築の60平米だが、借りると13万から14万する。だから学生などは複数人でシェアするパターンが多いのだろう。

確かに西海岸はアメリカでは人口密集地だが、それでもまだまだ土地はある。なのにこの金額は東京並みではないか。なので日本の財産を処分できるとか、アメリカで一定以上の高い給与がもらえる見込みのある人などは家の購入も考えるべきだと思う。

さて、アメリカで家を借りる方法は多くの先達がいるので検索すれば山ほど出てくるが(たとえばこのブログ)、家を買う方法は、そしてその実態はなかなかわからないのではないかと思う。僕は2012年に家をアメリカで購入した経験者で、しかもまだ移住前の色々な制約の中で購入をしているので、もしかすると皆さんの役に立つかもしれないと思いこの購入経験を以下にしたためたい。

まず僕は、グリーンカードの面接が終わった2012年初頭、家をローンで買えるか調べまくっていた。現金
で買わずローンを組みたかった理由は、現金で買うより少し高い(即ち良い)物件を買える一方、一気に吐き出す資金は現金購入より少なく出来るので、渡米後未収入期間が長引いてもより我慢できるからだった。

ただ、予想していたことだが検索の結果は基本「無理」だった。アメリカ発行のクレジットカードを持たず、アメリカでローンを組んで支払ってきた履歴もない新参者の日本人にはローンは無理なのだ。しかし、David LEEさんという現地エージェントが「キャセイ銀行なら大丈夫な可能性がある」と言うので、僕はLeeさんに僕らの代理人になってもらい(費用はゼロ、説明は後ほど)、彼のアドバイスの下でキャセイの要求する資料を揃え、ローンを申し込んだ。

それ以後はこんな流れになる。

 1)4月下旬に妻と現地(加州オレンジ郡)に行き、そこでキャセイ銀行の人にも会い、
   仮のローン許可証(「プリ・アプルーバル」という)を得た。これは家の売り手に
   「この買い手はローンを組める能力があります」と証明する大事なモノだ。
   これがなくて売り手に相手にしてもらうには「現金で買えます」と言う必要が
   ある。

 2)現地に2週間滞在して家を探し、気に入ったものにLeeさん経由でオファーをした
 
   ※なお、家の売価は当初から設定されているが、日本と違って全ての家は「競り」
    なので、売主は当初出していた値段で売る必要はない。一方買主は、絶対欲しい
    物件なら売主の提示価格に上乗せした額をオファーしてもいい。
   
 3)現金爆弾の中国人に負け続けた後、物件XがとうとうOKとなる。相手が設定する
   期限内にキャセイ銀行からローンの最終許可をもらう必要があったが、
   キャセイが許可を出すか出さないかの判断に迷い、色々な追加資料を僕らに
   出させた揚げ句、期限ぎりぎりでローンの不許可を言ってきた。これにてXを
   買うことはできなくなった。

   ※キャセイも結局アメリカでのクレジットヒストリーなどが必要だったのだが、
    担当者が独自判断で動いたのだった。ところが審査部門を通過できず僕らの
    苦労も水の泡になったという次第。

   ※この時の中国人の攻勢は凄まじかった。現金で不動産を「買いあさる」という
    表現がぴったりだった。どの物件に行っても彼等がいて、その場でさっさと
    申込書類を作っていたがその作成スピードが速いのなんの。頭金やローンの
    額を計算しなくていから、金額記入欄の記載が楽なのだ。

 4)5月日本に帰国。方針を変更し自分たちの蓄えだけで買える安価な物件を買うことに
   する。殆どがShort Sale(ショートセール)物件。LEEさんにいい物件を見つけて
   もらい、こちらもウェブでいい物件を探し、気に入ったものはLeeさんに状況を
   見てもらい、よければオファーを入れるという方針で行く。

   ※ショートセールとは売主が支払いを完済できずに手放すことになった物件。
    銀行は当然ローンを全額支払ってほしいが、売主がリストラなどで支払い能力を
    無くした場合、物理的に残債を返してもらえなくなる。
    そこで売主に「売る作業」をさせ、売れた金額を全部銀行に入れることで
    チャラにする、そんな仕組みがショートセール。銀行は、売主に販売をさせて
    経費を絞る一方、販売価格については売主の独断を認めない権限も有している。
    売ればチャラなので、極端な話何の制約もないなら売主は売値500円でも喜んで
    売るからだ。

 5)6月、いい物件をネットで発見。Leeさんに見てもらい、やはりお買い得と判断して
   もらう。お金に余裕がないのでオファーを先方の提示額どおりで入れる。現金は
   強いが提示額通りは弱い。これでは競合に勝てない可能性も十分ある。

   ※不動産情報サイトは色々あるが、Leeさんに教えてもらったのが上記のサイトだ。
    プロが一番見ていて更新が速いということだった。

 6)8月上旬、先方が「売る」と言ってくる。但し8月中にエスクローの手続きを
   済ませろ、とのこと。
原状渡しということで納得し、契約書の署名してスキャンして
   送り、8月下旬に
慌てて現地に行き、売主と会い、物件の説明を受け、エスクローの
   手続きを行う。鍵を渡してもらう前日に妻が会社に関係で帰日せねばならず、
   鍵はLeeさんに預かってもらう。

   ※エスクローとは要は登記のこと。

 7)10月10日、この家に住み始める。

こうして僕らの住居購入計画は成功裏(?)に終わった。骨を折って頂いたLeeさんだが、僕らは1銭も払っていない。何故ならば、彼らエージェントの報酬は売主から出るから。

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