まずお断りしておくが、あなたが代行屋さんを使わずグリーンカードへの応募や取得の手続きを考えているのなら、これからの説明はあまり役に立たないはずだ。というのは、グリーンカード申込時もそうだが、当選後も妻は代行屋さんを使っていたので、そこの指示で申請書類等は用意したからだ(なお、普通はどうなのか知らないが、その代行会社さんは自分の会社経由での当選者で、かつ「複数年利用契約」を結んでいた場合には基本無料でグリーンカード取得手続きをサポートしてくれた)。

次に、「何を集めてどうするか」というマニュアル系の話も期待しないで頂きたい。それも代行屋さんの指示に従えばいいし、僕自身も相当記憶を失っているからだ。それじゃ何を書くんだ、というと、「これは体験者じゃないとわからない」と思うことを書くのである。その辺りをご了解のうえお読み願いたい。

◆書類は正確に
間違いがあった場合に合否にどれほどの影響を与えるのかは知らない。間違えば当局に連絡して訂正することも可能だ。しかし、「アメリカのいい加減さ」は侮らない方がいい。日本の常識は通用しない。面倒が起きた時、そのストレスはハンパない。だから、書類は慎重の上にも慎重に作り、証明書類もきっちり余裕を持って揃えたい。

◆無犯罪証明書
アメリカ永住には、犯罪歴がないことを証明する必要があり、これを警察で発行してもらうことになる。では、少年(高校)時代に無免許で補導され家裁に行ったことや、深夜徘徊で補導されたことは記録に残るのか?また、大人になって免停になり罰金8万円を支払った50kmオーバーの速度超過は記載されるのか。

正解は、記載されない。僕が永住権を取れたことが何よりの証拠だが、開封禁止の証明書を開封せずに見て「犯罪歴なし」と書いてあるのを事前に確認していた。開封せずに中を読むには、明るい光に向かって封筒をかざす。

◆大使館面接
日本語も可、みたいなことをどこかで読んだことがあったが、全編英語だった。僕が聞かれたのは書類記載内容が正しいかどうか、アメリカに行ったらどこに住むのか、仕事は何をするつもりか、などだ。英語の試験ではないので細かい文法がどうのとかは関係ない。相手が言う内容をあなたが理解し、あなたの答えを相手が理解すればいい。その一点に尽きる。
なお、このとき合格するとパスポートに永住ビザ渡航許可証を貼ってもらえる。これを持って6ヶ月以内にどこでもいいからアメリカに入国すること。そもそも許可証の期限が6カ月なので。

◆グリーンカードとSSNの受領
グリーンカード(以下「GC」)の発行手続きは、上述のアメリカ入国をもって自動的に始まる。引き渡しは郵送で行うが、送り先の住所がアメリカに限定されるという不可思議なルールがあるので、受け取り方法を大使館面接の前に確立しておかないといけない。僕は、たまたま知り合いから紹介頂いたLA近郊在住の日本人の方(以下「Sさん」)に住所を貸してもらったが、普通代行会社がそれ用のアドレスを持っていて、有償で受領・転送サービスを行っている。

アメリカ入国時、在日本アメリカ大使館から事前にもらっている封筒を入管審査官に提出するのだが、この時の担当官がいい人だった。そしてそれは日本への好意が基になっていた。何故日本に好意を持つのか。それは書類がわかりやすく整理されて封筒に入っているからだ。入管審査官にとってこれほどまでに処理がしやすいように整理されている書類は日本からのモノしかないそう。アメリカ大使館の書類封入係のお姉さんに感謝したい。

ところで、GCは永住権所有を証明するビザだが、
SSN(Social Security Number:社会保障番号)は元々は徴税のための識別番号で、今では「あなたをあなたと識別する身分証明書」の位置づけで、グリーンカードホルダーだけでなく有期のビザホルダーにも発行される。SSNがないとクレジットカードを作ったり電話に加入したりネットを引いたりといった基本的なことが出来ないから普通はGCとSSNは同時に申請する(別個でも申請できるようだが普通別個にする意味はない)。

入国日から郵便が届くまでは1ヶ月~2ヶ月だと思うが「アメリカのずさんさ」に遭えば、その限りではない。僕の場合は3月2日の入国で、3月13日にSSNが届き、3月26日にGCが届いた。今回はアメリカのずさんさに遭わなかったわけだ。近々アメリカに行く用があるなら取りに行けばいいし、ないなら日本に郵送してもらう。その際はEMSを使うこと。PMIは追跡番号がない。詳しい違いを覚える必要はないのでとにかく「追跡のあるEMSで送って」とお願いする。

ちなみに僕は、SSNはSさんに郵送してもらい、GCは4月22日にアメリカに行ったのでその際にお会いして手渡しで頂いた。郵送代と心ばかりの謝礼はお会いした時ではなく、3月中に銀行振込で行った。彼も僕も既にUnion Bankの口座を持っていたからだし、4月の計画が確定する前でいつ会えるかがまだわからなかったからだ。

◆総括
ということで、代行屋さんのサイトなどを読めばわかることやお願いしておけばいい事はここには書かなかった。書いたのは:

1)書類は正確に作成し、証明書類はなるべく早く集める
2)少年時代の補導歴や免停などでは無犯罪証明書に記載されない
3)大使館面接は日本語ではなく英語Onlyだと思って臨む
4)グリーンカード受領のためには:
  └①アメリカでの受取住所を大使館面接前に確保する
  └②SSNも同時に取得しておく
  └③日本に郵送してもらうなら追跡付きのEMSで送ってもらう

ということだ。