個人輸入代行屋がダメだった場合はどこかしらで雇われないとならないので、渡米前に様々な情報を集めた。アメリカ帰りの情報通からの話では、僕のキャリアなら仕事は必ずあると言われたので結構高をくくっていたが、実際にはそんなに甘いものではなかった。

昨年の夏ごろだったか、僕はアメリカで人材紹介会社に勤める知人に、今の輸入代行屋がダメだった場合のことを想定して色々相談してみたことがある。元々人事・総務・法務系をメインにやってきた僕の日本でのキャリアはそれなりに面白いと思うし、法人営業的な面でも実績を出したことがあって、日系企業ならどこかしら働き口はあるかと思ったが、その考えは甘かった。いかにキャリアがあろうとも、48歳という年齢はアメリカでもネックになったのだ。

年齢が高い上にアメリカでのサラリーマン経験がないことは基本マイナス要素しかない。だから、日本でいかにキャリアを積んでも、あなたが既に4,50代でアメリカでの職務経験がないなら、よほどの人脈か専門能力ですぐにその会社に多大な貢献が出来ることが明らかだというようなケースを除き、アメリカでは日系企業でも米系企業でもほとんどニーズはないと思った方がいい。

一方、日本からアメリカに渡った時あなたが20代なら、キャリアがあろうがなかろうが働き口はまず間違いなくあるだろうし、あなたが30代なら、アメリカで合法的に働くビザを持っているなら働き口はやはりかなりあるだろう。

しかし例外はある。たとえば、僕とてある企業から熱心に誘われたことがある。アメリカにいる日本人を対象にした営業の仕事で、日本における営業と同じようなレベルで対人関係を構築でき、信用・信頼を築いていく能力が必要な仕事だったので、僕の年齢は全くマイナスにならず(というかプラスになり)、僕の過去の職歴は信用を醸成できる貴重なものだと評価されたからだ。

つまり、年齢がいっていても、年齢相応の職歴がある人はその「安定感や信頼感」を買われることはあるのだ。それは裏返して言うと、日本からアメリカに来ている若者は、がむしゃらで物怖じしないが一定の常識や知識に欠けているという一般的な評価が存在するということだ。

ということで、アメリカで働きたい場合も日本同様年齢は大きなファクターになる。アメリカでは法律上履歴書に年齢を書かなくてもいいが、いつ学校を卒業し、いつから働き出しているかを書く以上、応募者が何歳くらいかは見当がつくのだ。

おっと。「英語力」のことを言っていなかった。わざわざ日本からアメリカに来て「英語はしゃべれないが働きたい」というのなら、それは端から間違っていると思う。それって前提からおかしいでしょう。間違っているし、おかしい。けど、働き口がないかといったら、実はある。日本人だけを相手にする仕事で、コミュニケーションも日本語だけで済む職場がないわけではないからだ。ただその条件では高い給与をもらえる仕事は存在しないのでそのつもりで。