アメリカという甘美な幻想

南カリフォルニアはオレンジ郡に住むオヤジです。妻共々サラリーマンでしたが、2011年にグリーンカードが当たり、アメリカへの憧れに抗しきれずに2012年10月に移住してきました。個人輸入代行やコンサルタントを生業にした後、2016年からは会社員(人事、法務など)に。移住する遥か前から積み重ねてきた様々な「アメリカ体験」も含めて文章に残すためにこのブログを書いていますが、会社員復帰以降は忙しすぎて更新は稀に。。。面目ない。

南カリフォルニア

南カリフォルニアの新型肺炎の状況(4)

オレンジカウンティーが事実上の外出禁止令を出した。
レストランは今夜12時で店に集客しての営業ができなくなる。
それだけではない。「外出して集うこと」が禁じられるので、職場が閉鎖されるのだ。
当社はすでに在宅勤務を実施していたが、明日からは郡の時限立法により
誰がいくら望んでも会社に行くことはできなくなる。

いや、別に俺自身に不満はない。
ただし俺は、3.11の頃の日本を思い出して気が重くなる。
楽しむことが憚られる雰囲気。自粛の雰囲気。
それで経済はズタボロになったから。

それをまた再現するのか。
いや、もっと今回はひどくなりそうだ。
そう思えてならない。
それだけが気になるんだ。それだけが。

南カリフォルニアの新型肺炎の状況(3)

アメリカ時間3月13日、トランプさんが緊急事態宣言を発令。ロサンゼルスやその周辺では、学区内の小中高の時限閉鎖が続々と発表された。これで子を持つ親が働きに出ることが難しくなり、在宅勤務が加速することになった。当社もそれは同様だ。

翌日土曜に妻と近所のトレーダージョーズに行ったが、保存がききやすいものは軒並み売り切れていた。コメやパスタなどが最初に売れ、その後缶詰が売り切れ、水が狙われ、最後は冷凍食品および冷凍保存可能な肉類という順番でなくなっていったようだ。

ビールなどを買ってレジに並び、「この在庫状況はいつ改善す...」とレジのお兄さんに尋ねようとすると、彼は僕が全文を言い終わらないうちに、まさに速射砲のように答えてくれた。

「毎日。本当に毎日商品は入荷してるんですよ。でもね、朝からものすごい数の人が来店してすぐに棚は空っぽになるんですよ。みんな”Fear Buy”してる。狂っていますね。信じられない」

僕は「Fear Buy」という言葉を初めて聞いた。「不安買い」とでも訳すべきか、それとも「恐怖買い」か。まさに今、全米がそんな感じになっている。先週Palm Springsに行ったときは、まだトイレットペーパーでさえ買えたのに、たった1週間で完全に様相は変わったようだ。

トレーダージョーズを出、お値段高めのホールフーズに行ってみた。ここも同じような状態になっていた。ケーキみたいなどうでもいいものを買ってレジに並ぶと、店員が他の店員と話していた。

「あんた昨日シフトに入った?めちゃくちゃだったわよ。全部のレジに25人ずつ並んでたんだよ。それがいつまでも続くんだから!ヒュー。」

そこは8つレジがあった。そこに25人ずつ並んだ状態ということは200人がレジ待ちか。そんなこと、クリスマスでもあり得ないし、実際クリスマスの3倍くらいの混みかたって感じだろうと思う。

まともな食糧が買えない僕と妻は、最後にGelson'sという恐らくもっとも売値が高いスーパーに行ってみた。トイレットペーパーとハンドサニタイザーは当然ながらなかった。米やパスタもなかった。しかし、わずかながら非日系の即席ラーメンが残っており、サーモンやサーディンの缶詰はかなり残っていた。驚いたことに水もわずかにあった。他のスーパーの倍、安売り時の3倍の値段だからのこんな時でも売れ残っていたのだろう。僕らは缶詰と水を少し買って帰宅した。

そもそも在庫切れ騒動はコスコから始まった感があるが、大量売りと安さの観点でコスコから「Fear Buy」の火ぶたが切って落とされたのは当然だったのだろう。その後も値段が安い順に大量買い「DDOS攻撃」を受け、缶詰一缶を1000円で売るGelson'sが最後の攻撃対象になっている。今はそんな状況である。

南カリフォルニアの新型肺炎の状況(2)

忙しく、かつ終わりの見えない仕事を抱えている今の僕には、砂漠に行くことは本当に心の安定にとって重要だ。なので今日は、自宅から2時間ほどのところにあるCoachella Valley(コーチェラバレー)という避寒地で有名なPalm Springs(パームスプリングス)の近くの砂漠を目指して妻とドライブしてきた。

ところで、今週1週間でアメリカの様相は変わってきたことがわかってきた。同僚が「コスコ(コストコ)に行ったんですけどトイレットペーパー売ってなかったです。ハンドサニタイザーも売ってないです。ほかの人が言ってましたが米もないそうですよ」などと言うのだが、僕は全然実感してなかったので、今日ドライブに出たついでに、自宅から200㎞以上離れたPalm Springsのコスコを訪問してみた。

驚いたことにトイレットペーパーは見事に売り切れていた。そんなことあるのかと思って近くの量販店、ターゲットに行ってみたら、トイレットペーパーは存在していた。けど、いつもより少ないことは棚の具合でよくわかった。

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Palm Springs近くのターゲット。トイペ棚がここまで閑散とすることってないです。

寄ったついでにいつも使っているトイレットペーパーを2パック(合計48ロール)買ったのだが、まさか自宅から200㎞離れたターゲットでトイレットペーパーを買うことになるとは思わなかった。

僕が住んでいる南カリフォルニアの海沿いにはアジア人が多く住んでいる。中国人、韓国人が特に多い気がする。僕は、コスコでのトイレットペーパーの品薄は、日本人も含めた東アジア人の買いだめではないかと睨んでいたので、東アジア人が少ない内陸のPalm Springsにはトイレットペーパーは存在すると思っていた。が、ここまで品薄とは。

トイペがコスコにはなくてターゲットにあった理由は基本的には「価格差」ではなかろうか。同じメーカーのワンパック(24ロール)をターゲットが23.99ドルで売っているのに対し、コスコは5ドル引きで売ることがあるからだ。でも、わからん。

さて、アメリカでの新型肺炎の流行はどうなるのか。そんなことは素人の僕にわかるはずはないが、普段から絶対マスクをしないアメリカ人は単純にやばい。ニュースによれば、東アジア人が差別的な仕打ちを受けているケースがままあったらしいが、ここ一週間のアメリカでの感染の拡大具合は日本よりひどい感じであり、特にサンフランシスコに停泊中の「なんとかダイアモンド号」の件があった(今も継続中)ので、もうそんなデマや先入観は通用しないだろうと思う。

そう、「日本のなんとかダイアモンド号」の件はイメージがものすごく悪かったわけだが、アメリカで同じ事が起きてしまい、日本政府の対応を批判していたアメリカのマスコミや政府も、今や完全に自分事としてこの事案に対処しなければならなくなっているのだ。

ちなみに、ターゲットにもコスコにもハンドサニタイザー(手の除菌剤)はなかった。アメリカ人もその辺は気にしていると思われる。でも、人ごみには普通に行くし、マスクは絶対にしないし、本当の国民皆保険が実現している日本のように誰でも気軽に医療機関に行けるわけでもないから、まだ感染は広がると思う。形勢逆転。日本よりやばい。そんな気がする。

僕はといえば、そもそも冬場になれば職場に着いたとたんにマスクをし、こまめな手洗いだけは励行していたので同じ行動を貫いている。なお、職場に行くまではマスクはしない。もしマスクを公の場でしたら、高い確率で「保菌者」と思われ、差別を受ける可能性さえあるからだ。アメリカ人にとってマスクは、感染した人が迷惑をかけないためのものだからだ。

つまり、あなたがマスクをしていれば、あなたは保菌者であることを意味する。今のご時世であれば、あなたは新型コロナウイルスの感染者ということになる。まったくもってマスクへの偏見は無茶苦茶だが、アメリカ人も、なんでも正しく合理的に考え行動できるわけではないのだから仕方がない。

ではまた。

南カリフォルニアの今の状況(新型コロナのこととか)

日曜の朝。雨が降っている。まさにMaroon5の「Sunday morning, rain is falling」の状況だ。予定してた外出も出きなくなったので、徒然にブログ記事を書いてみたいと思う。

先週の土曜のことだが、Costa Mesaにある大きなショッピングモール、「South Coast Plaza(SCP)」に妻と行った。妻の誕生日用のプレゼントを買ったり食事したりしたのだけど、ひとつ物凄いことに気づいた。中国人が消えていた。

知っている人は知っていることだが、SCPに行くと、視界に入る客の30~50%は明らかに中国系の人たちだった。それがごっそり消えてしまったSCPは、もはやSCPではないかのように思えたものだ。渡航制限の影響をこんなところで認識できるとは。これで更にわかったことがあった。SCPで我々が遭遇していた中国系の方々は、その90%くらいが(アメリカに住んでいる中国人ではなく)中国から来ている観光客だったということだ。

言うまでもないだろうが、カリフォルニアで新型肺炎を気にしている人など殆どいない。(もちろんアメリカでだって多くの報道がされてはいるけれど)実生活上では何も影響を感じることはないし、少なくとも日本の報道やSNSなどから伝わってくる悲壮感や深刻さはここには全くない。誰もマスクなどしてないし、人の多い場所に行くことを自粛するなどという感じもない。でも、渡航を制限された中国人旅行客が忽然と姿を消していたのを見て、その影響ぶりを感じることになった。

 ***

そして昨日の土曜だが、僕ら夫婦は家から80㎞程離れたトーランスに行って、移転したばかりのミツワマーケットに行ってきた。ミツワは我が家から10㎞離れたIrvineにも、20㎞離れたCosta Mesaにもあるし、日系人には本当におなじみのスーパーだ。

ミツワはライバルの東京セントラルにかなり押され気味な感があって、そんな中でトーランス店がかなり大きめなショッピングモールである「Del Amo」に移転したのだ。けれど、僕には特に新装効果は感じられなかったかな。だから写真さえ撮らなかった。

夕方、日系の焼き肉屋で飯を食べ、ダンキンドーナッツ(日本のミスタードーナツみたいな存在)の3倍高いがマジでうまいドーナッツ(店名は"Sidecar")を購入し夜7時ごろ家路についた。このドーナッツ、凄まじくうまいよ。

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深夜23時過ぎだったか、寝室でテレビ(アマゾンプライムの動画)を妻と観ていたら、突如リビングに置いてあった妻のiPhoneのFace Timeが鳴った。「なんだこんな時間に」と思いながら妻が出てみると、案の定妻の母親だった。この「案の定」というのは、カリフォルニアの夜にFaceTimeを妻にかける人は前例上妻の母親しかいない、という意味である。

とはいえ、23時過ぎにかけてくるのは珍しいので、何か緊急事態があったのではないかと心配した。妻が話し終えて寝室に戻ってくると、「トイレットペーパーを確保してほしいっていう内容だった」ということだった。

「トイレットペーパー?マスクじゃないのか?」と思うのは不思議ではないだろう。日本でマスクが入手困難という話は既にこちらでも有名で、こっちの日系のスーパーでも売り切れが起きていて、今もそんな状態が続いているからだ。最初は何でアメリカのスーパーでまで売り切れるのか驚いたけど、僕の同僚も日本にいる家族とかから送ってほしいと頼まれて送ったそうなので、なるほどと合点した。

でも、なんで今度はトイレットペーパーなのか。

調べてみたら、本当にトイレットペーパーが不足していて、その発端は「デマ」だった。同じ日本人として苦言を呈することとなるが、新型肺炎とトイレットペーパーになんの関係があるのかくらい冷静に考えてほしいものだ。3.11であれほどまで冷静で共助的な動きができる国民が、まったくどうしてしまったんだ?

僕は世代的に73年のオイルショックを知っているし、化粧品やその関連雑貨を売っていた僕の家の店舗から、瞬く間にトイレットペーパーや洗剤が消えていき入荷しない状態が続き、客が毎日「いつ手に入るのか」と尋ねていた様子を鮮明に覚えている。あの時、いい大人が殺気立っていたっけ。

でもね、あの時だって元々紙や洗剤の生産量が減っていたといったことはなかったことが明らかになっている(参考)。今回のトイレットペーパー不足問題も全く同じ状況。要は普通にしてれば何も問題ないのに、普通にしないから問題が起きるって話であって、この種のパニックは「パニックそれ自体が引き起こしたもの」なのであって。。。もうちょっと考えようよ、本当に。

なお、妻の母親の願望は、実は充足されていた。高齢の妻の両親は数年前から基本的にもう外出しておらず、買い物は妻がネットで行っていて、妻は今回母親が連絡してくる2日前に食べ物と同時にトイレットペーパーも注文していたのだそうで、その時は幸運?にもトイレットペーパーは普通に買えたのだそうだ。そのことを妻が母親に話すと、母親は安堵していたとのことだった。

ま、肉親の心配が解消されたのだから、そりゃよかったよかった、とは思う。でも「デマでパニックが起き、その後人々が冷静さを欠いたままパニックが継続する」っていう風景には、なんか萎えるなぁ。

2020年は英語系Youtuberになろうかと...

このエントリーが2020年最初のものになるのでご挨拶を。あけましておめでとうございます。

昨年5月ころにサラリーマン人生に不満を抱くことをやめることができてから、特に内面的な危機というのはなくなり、同年6月にアメリカ東南部の旅行及びその周辺のことをブログに一気に書いてしまってからは妻との南カリフォルニア生活を充実させることを優先に生きていた。

いきおい週末は遊びに出かけることが圧倒的に多くなったし、仕事は相変わらず忙しくて家に帰ってきてからパソコンに向かってモノを書く気にもなかなかなれず、このブログもなんか遠い存在になっていて、気が付けば2020年も2月中旬になっていた。

2020年正月。僕は2つやりたいことを心に描いた。一つはプロ時代に作ったままお蔵入りにしていた自分の曲に英語詞を当て、再度今風の音に録音しなおしてハリウッドに送ってみること。もう一つは、英語系ユーチューバーになって、日本にいながら日本語OSの頭のままで英語の本質を覚える授業をやること。けれど、容易に忙しさを言い訳にできる環境下、どちらも特に進捗があったわけではない。

英語系ユーチューバーというのが山ほどいるのを知ったのはここ最近のことで、Toeic80回連続満点Youtuberとか海外で働く英語自慢Youtuberとか英会話学校の先生系Youtuberとか、そんな存在がすでにやたらいることに驚いたものだった。

そんなところに割って入れるほど差別化された有用ノウハウを僕にも提供できるのだろうか、、。僕はそんな視点からある時期毎日彼らの動画を見ていたけれど、どうやら僕にもできることはあるような気がした。

僕は48歳でアメリカに来るまで海外生活などしたこともなく、今使っている英語(会社での英文契約書の作成や契約違反に対して相手に債務の履行を求めるとかも含む)は日本にいる間に独学で覚えたのだけど、周りにネイティブはおろか塾の先生も大学生さえも存在しないド田舎育ちの僕の英語の覚え方は、同じような「劣悪な環境」で英語を覚えるという条件を課された方々には有用だと思うのだ。僕はいつだって「環境弱者」だったけど、結局勝手な工夫でそれを乗り越えてきたし、その工夫は本質をついていたから生きたのだと思うし。

だから、英語を日常使わず生きていける日本で、「日本語脳のまま英語を学ぶこと」にかけては、僕は第一人者になれる気がする。到達点は「受験や会社で使えるレベルまで、日本語脳のままで上達すること」だ。ネイティブの話し方やこじゃれた言い回しを覚える前に「英語の本質を日本語で覚えきれ」れば、後からそういうレッスンの効果も増すだろうし。「日本語脳のままいかに英語に習熟するか」というジャンルなら、ほかのネイティブ系やぺらぺら系Youtuberの人たちとも競合しないと踏んだわけ。

でも、おそらくこのNew Year's Resolution(新年の抱負)は実現できないだろうとわかっている(ならなんで書いたんだ?)。マジな話、今年56歳になる僕は体力の衰えも顕著で、昔のようには体も精神力も自分の願望についてこない。諦めることが容易になってしまった僕がもう一度自分を奮い立たせられるのか、自信がない。

しかも、仕事があり、収入があり、家があり、妻がいて、南カリフォルニアで大過なく過ごせている現状に不満を持つのもいかがなものか、との思いも昨年来急速に強まってきている。だから、何か迫りくる外部要因(倒産とかリストラとか)で自分が追い込まれないと、このまま今の生活を是としていくんだろうな、と思っている。

なんか徒然だなぁ。徒然過ぎるなぁ。しょうもない話だったなぁ。

まぁ、皆さんお嫌でしょうが、また書きますね。でも、次はいつになるかな。。。

忙しかった。いやマジで。

明けましておめでとうございます。。。って、遅すぎですね。
 

忙しさという意味で凄まじい2016年が凄まじいまま終わり(1231日、冬期休暇の中自宅で仕事をしていたワタクシ)、なんだかわからないまま2017年が来、4日からまた忙しい日々が始まった。もう「忙しい」という言葉は本文だけでは足りないのでタイトルにも入れてみた。

と書いていたのは、実は1月7日くらいのこと。ここから下の文章も基本はその頃に書いたもの。でも、忙しくてフィニッシュできず、今日1月24日火曜の朝に、やっと完成に向けて再度書き出した。何でそんな時間があるのかと言えば、昨夜から体調が悪く、午前中は会社を休むことにしたため。寝てなきゃいかんのだが、未完成のまま1月が終わるのは避けたくて書いてます。

 *** 


何もこの忙しさは仕事由来だけではなかった。このブログで以前に書いたように、昨年3月くらいからぼちぼちやっていた家探しは、糞忙しい11月に一応満足できる物件が見つかったため「逃してはならじ!」と購入に踏み切ったことで、そこから日本とは全然違う複雑・煩雑な購入手続きに長期間追われてしまった。

 

かてて加えて、それまで住んでいた家(2012年の渡米時に買ったもの)は売らないで貸すことにしたことで、とんでもない重荷を抱えた。そもそも新しい家の購入に必要な頭金は、渡米時物件を売って作るつもりだったが、それを担保に金を借り、新しい家の頭金に使うことにし、借りた金の返済は店子からの家賃収入で賄うという作戦を妻が考えたことでこの苦行は始まったのだった。

なんか複雑だな。要はこういうこと。

 1)渡米時に買った家を担保に金を借りる(ローン1)
 2)その金を新しい家購入の頭金に使う
 3)渡米時購入の家を人に貸し、その家賃収入はローン1の返済に充当
 4)新しい家のローン(ローン2)は普通に払う
 

 つまりワタクシ、今ローンを2つもっているわけ。でもローン1は店子からの家賃で払っているので、実質ローンは1個だけってわけ。


なんでこんなことをしたのかと言えば、詳しくは別の機会にお話しするが、確かに様々なデータからは、家の価値が長期的に見るとずっと上昇している南カリフォルニアでは、渡米時物件を現在の市場価格25万ドル(約2700万円)で売るよりも、手放さずに担保にして銀行から必要額(11万ドル≒1200万円)を借り、これを頭金に使う方が賢いと判断できたからだ。

問題は、その決断のせいで今度は大家として渡米時物件の借り手探しをしなければならなくなったことだった。それで
以下のことを同時に進めることとなって、忙しさに拍車がかかった。

 

1)新しい家に問題がないかとかを調べる実地検分(売主との丁丁発止)

2)渡米時物件を担保にローンを借りる手続き(金融機関との手続き)

3)新しい家を買うためのローン手続き(金融機関との手続き)

4)新しい家の購入それ自体に関する手続き(売主との契約)

5)渡米時物件の借り手探し(Craigslistを作成し、募集)

  ※Craigslistとは無料の情報掲示板みたいなもの

6)Craigslistを見て連絡してきた人への問いわせ対応(メール、テキスト)

7)その中でも物件を見たいという人のための内覧会の開催

8)店子の選考(彼らの収入や仕事などから借り手を決める)

9)賃貸契約書の作成・締結

 

 

ね?ただでさえ仕事が糞忙しい中、こんな案件を抱えたらどうしようもないですわな。。。

 

まずは1)から4)についての状況を説明しよう。

 

そもそも、買いたい家が見つかれば、まずはその家がどんなコンディションかを調べる。専門家とともに家を見る(診る)のである。すると色々な問題がわかるが、その状況を基に①売主に直すように言うか、または②こっちが直すから直すための金を出せと言うか、または③値段を下げるよう交渉する。当然売主とは神経戦になる。

 

しかし次からが本当に大変だ。アメリカの不動産売買は、とにかく日本と違い煩雑で素人では意味が分からない。だから自己売買は全然活発じゃない。その代わり売主買主双方のエージェントが活躍するのだが、現代ではスマホ上でほとんどの契約手続き(電子署名)が出来るようになっているため、不動産ブローカー、ローン会社、エスクロー(登記屋)から、仕事中も会議中も容赦なく電話、メール、テキストがジャンジャン入ってくる。

 

しかも、もしこれを無視して手続きが遅れると、下手すれば売買契約やローン契約が無効になるから、11月以降はいちいち仕事中に社外に出てスマホでピコピコ手続きをしてたものだった。そんなことが1か月続き、12月に入ってやっとすべての手続きが終了した。

 

そして5)以降だが、渡米時物件を売らずその大家になることを選択したため、まずやったのがCraigslistの「家を貸しますセクション」用に文章を作り、家の写真を撮って載せることだった。空き家期間を可能な限り短くしたかったので、相場より少し安めの値段設定にしたら反響が抜群によく、山ほど(30組以上)来るメールでの問い合わせに毎日忙殺され、そして土日(2週分)は多くの希望者に家を見せることになった。結局15組が実際に土日に家を見に来、11月の終わりに店子が決定した。

 

しかしそれだけでは終わらない。9)の契約書のパートだ。僕は不動産屋に管理を委託しなかったので、旧我家のリース契約書は自分で作るしかなかったのだ。テンプレートは山ほどネットに転がっていたが、それをそのまま適用できるわけではない。

 

「こんなんでいいのか?通じるのか?」

「ネイティブの店子が理解できるのか?」

「文句は言われないのか?」

 

と不安いっぱいな中、都合20時間以上かけ、自分の貸す家の状況に合わせ様々に条項をカスタマイズし、店子にこれを示した。すると意外や意外、すんなり受け入れてもらえ、1210日に契約は成立し、僕らは129日までに引っ越しを完了し、店子は10日に僕らが4年住んだ家に移り住んだ。ここだけの話、僕の契約書はどうみてもいい加減にしか思えないが、店子も契約書なんて読んじゃいないのだ。ネイティブがどうのこうのではなく、どの国でも普通の人は契約書なんて斜め読み程度なんだろうと思う。

それ以降も、引っ越ししたことで新居関係のことでバタバタし、仕事は無茶苦茶忙しいままあっという間に年が明け、そしてあっという間に今日(1月24日)になった。そして体調を壊し、寝ればいいのに今これを書いている次第。


ところで今冬、南カリフォルニアは異常気象ともいえるほど雨が降り、そして寒い。僕にとっては渡米以来5度目の冬シーズンだけど、いくら雨期とは言えこんなに天気の悪い南カリフォルニアは初めてで、既に20年こっちに住んでいる会社の同僚も「こんな冬は初めてだ」と言っているほどに悪天続きだ。

でも、そのおかげで長年続いてきた干ばつ状況がかなり緩和されたらしい。これは基本いいことだ。そして僕はと言えば、雨降りの休みの日に結構自宅で仕事をした。普通に土日に遊んでいたら仕事が間に合わないってときもかなりあったから、実はその意味でも悪天はそう悪いことでもなかった。

ではまた次回に。その時は、少しは写真も載せたりとか楽しいものにします。

トランプと断層と新しい家探し

またまた長い間書くことが出来ず、申し訳ないというか不甲斐ないというかやる瀬ないというか、そんな状況が続いている。とはいえ、実はしばらく前から「少しずつ記事を書き溜める」、ということを行ってきたのだ。だが、書くたびにテーマが変わるので全然「しかるべき長さを持つ一続きの文」として完結しないというもどかしい状況となっていた。そこで、それならそれでこれまで書き溜めた小テーマを、何の脈絡もなく一気にこのエントリーで並べてしまうことにした。


 

ここ4か月の概況

1月からサラリーマンに戻って早4か月。マジに忙しいのではあるが土日はきちんと休んでいるし、平均労働時間は19時間程度なのであって、これは、僕が日本でサラリーマンをしていたときの最も環境が良かったときと大体同じレベルである。但し、担当している分野が広範なうえ(経営企画、人事、法務、その上マーケティングや日英翻訳なんかも)、50過ぎの僕をあえて雇っただけあって期待値が高いため、就業中は殆ど気を抜けない状態である。

土日は、たまに車で5時間くらいまでの場所(ラスベガスとかが限界)に行くが、普段は近所の公園を散策後太平洋岸の1号線をドライブし、最後に買い物をして家に帰るといった感じになる。しかし、1日単位では結構長く感じるのに、気が付いたらもう1年の3分の1が終わるってのはなんなんだ。時が経つのが遅いのか速いのか、なんだかワケがわからない。

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どこの国立公園?と思ったあなた、これうちから10分のとこにある公園内の風景です。

 

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隣町Dana Point(デイナポイント)の海で地元民が楽しむの図。サンタモニカだけが(西)海岸ではないのですね。

 

Trump

僕ら夫婦が今住んでいるコミュニティーで最初に仲良くなったCameronJandy (ジェアンディー)というともに白人の夫婦がいる。11月に子供が生まれてから、彼らは広くて通勤に便利な場所に引っ越しを考えていて、当地から南に50㎞くらいにあるVistaという町に46日に引っ越していった。VistaSan Diego郡にある町で、Cameronの会社はその隣町のOcean Sideにある。

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 キャメロンたちの写真を探したがないので、代わりに松の幹を切って顔面に切りくずを浴びる作業員の写真をどうぞ
 

で、その1週間前に僕と妻とDay一家でサヨナラパーティーをしたんだけど、話題が大統領選挙になったらJandy(妻)が額をぴしゃっと叩いて苦笑い。まるで落語家がやるような見事な「ピシャ!」だった。

 

Jandy:ごめんよぉ、ごめんよぉKazz(=僕のこと)。私たちも結構
    参ってるのよ。恥ずかしいぃぃ!

 

僕   :いや、謝られても(苦笑)。君らの国の大統領だから、僕は誰であっても
           基本文句はないよ。でも、彼が物議を醸しているのは知ってるよ。
 

キャメ:トランプは政治家じゃない。無責任な実業家だ。アメリカの単細胞どもが
           聞きたがっている単純な憂さ晴らし的な言動を直截に言ってるんだが
    その戦略に単細胞がはまっている。この状況、結構参ってるぜ。しかも俺、
    ヒラリーも嫌いだし。メール問題とかで彼女もダーティーな感じは拭えないし。

 

Jandy:他の候補にもまともなのがいないからマジ誰に入れていいかわかんないワ

 

キャメ:トランプは移民排斥を主張してるから、Kazzもやばいかもしれない。
    奴ならやりかねないぜ。

 

僕  :いやー、グリーンカードを持っている合法滞在者まで排斥はしないよ。
    したら、「自由の国アメリカ」が終わっちゃうよ。。。。。
 

 

ということで、若夫婦はだれに投票していいか全然わからないとのことだったが、そうした意見が非常に多くある一方、トランプさんを含めて今回の候補者に熱狂的な支持をしている人々もたくさんいる。たとえば僕が昔旅先で出会って渡米前にFacebookフレンドになった何人かのアメリカ人たちの意見。それぞれ全然違う。

 

Eさん(女性、20歳、オレゴン在住)、民主党のバーニーサンダース押し。トランプ攻撃も全く厭わない。

Cさん(女性、53歳、ミネソタ在住)、共和党のテッドクルーズ押し。銃規制反対の共和党支持者。オバマが大嫌い。

Jさん(男性、50歳、カリフォルニア在住)、超トランプ推し。Jさん自身、移民排斥大賛成。

 

キャメたちの件も含め、いかにアメリカが割れているかがわかろうというもの。

 

 

San Andreas断層とLas Vegas

土日が休めているので、今年になってからもSan Andreas(サンアンドレアス)断層に行ってみたり、Las Vegasに一泊で行ってみたりとそれなりに外出はしていた。San Andreas断層に行ったのは今年だけで2回。ともに熊本地震が起きる前のことだ。一回はロサンゼルスから北西約250kmのところにある「Carrizo Plain (カリゾプレイン)National Monument」という場所、もう一回は避寒地で有名なパームスプリングスの近くにある「Coachella Valley(コチェラバレー)」という場所だ。

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 Carrizo Plainの中のSan Andreas断層。あまりにあからさま過ぎて、断層だとは思えなかった。


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文字通り砂漠の中にオアシスがあり、この水のおかげで巨大なヤシの木が群生し、
その土地の近くにSan Andreas断層が走るという誠に興味深い場所=Coachella Valley

熊本の地震の被害がまだ続いている中で軽々に地震の話をすることはなんではあるが、僕らは純粋に地学的な面白さがあるので非常に断層に興味があって訪問したのだ。人間の営みを一瞬に破壊する大地震は確かに怖い。僕も3.11の時は中目黒の職場から赤羽の家まで「歩いて帰った組」だし、マンションの11階にある僕の家は大きな揺れで多くのものが倒れ、壊れた。しかし、地球はそういう活動を繰り返す惑星だ、とも言える。だから僕は地震を含めた災害については一種諦観している。


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ラスベガスに行く時に使ったUS-95号線。なるべくインターステートを使わないほうが風情ある旅になる。


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 恒例のベラッジオの噴水前。僕らが泊まったのはPlanet Hollywoodだったけど。

 

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アリゾナ州キングマンからI-40で西に行き、なんだかわからん降り口でふっらと降りてみたらあった案内と風景

ラスベガスはもう何回も行ったので書くことがほとんどない。3月18日に行き、ストリップを散歩し、旨いメキシカンを食い、20ドルカジノで負けて翌日帰った。

そうそう、翌日の帰路に国道
93号を使ったのでアリゾナ州キングマンを経由することとなった。アリゾナ州に来たのは2012年秋の渡米以来初めてではないだろうか。日本に住んでいたころは当たり前のように様々な州をドライブしていたのに、住んでしまうとそうはいかない。皮肉なものだ。僕のアメリカ訪問州は2007年に33に達っして以降全く増えていない。早くまだ行ったことのない州に行きたいものだが、サラリーマンになってしまったので当分は無理だろう。


家を買うか検討中

昨年人事コンサルをやったことで年収が日本のサラリーマン時代くらいまでに戻った。しかし、共働きで子供がいない中で持っていかれた税金の額に目ん玉が飛び出た。アメリカでは個人事業主は3か月ごとに税金を払うという予定納税スタイルになっているのだが、この額がまるまる1か月分の報酬額だった(誇張なし)。

 

わかりやすく書くとこんな感じ。

 

4月に80万円の報酬。5月に80万円の報酬。6月に80万円の報酬と80万円の税金。

 

なんなんだこれは。6月に報酬80税金80、その月の収支は差し引きゼロ、と思うなかれ。僕だって飯も食うし、ガソリン代も払うし出ていくお金はそれなりにあるのだ。そしてこれは6月だけのことじゃない。3月にも9月にも12月にも同じことがあったのだ。

 

今年からサラリーマンになり、今度は毎月コンスタントに税金が取られているが、あいかわらず33%が削られている。タイムマシン3号というコンビの漫才に「僕は何のために生まれてきたのか?」「納税のためだよ」というくだりがあるが、ほんとそんな感じだ。そして2月になると、妻が何やら外で人に会うことが多くなった。なんの悪だくみかと思ったら、こちらで不動産ブローカーをしている日本人と会っていたのだった。

 

「おいおい、渡米時に買ったこの家があるだろうが。ようやく収入が安定してきた途端に家の買い替えなんて贅沢だろうが」

 

と思ったものの、妻がまくしたてる。

 

アメリカでは家のローンを持てば節税額が半端じゃないのよ。今の家は持ったままそれを担保にお金が借りられるしその借金の返済はこの家を貸した家賃で払えばいいのよ。そして借りたお金を頭金にして新たに家を買うのよ。35年ローンもOK。そのとき私らは90歳近いけどアメリカは年齢で差別できないからローンは組めるのよ。万一払えなくなったら家は売るのよ。アメリカは日本みたいに新築至上主義じゃないししかも新築として買った途端に不動産の価値が下がるって法則もないし実際2013年から中古不動産の価格は上昇の一途だし南カリフォルニアはまだまだ人口が増えていくからリーマンショックみたいな馬鹿げたことが起きない限りここの不動産は大丈夫よ。とにかく税金に支払っているお金が多すぎるから家を買ってローンを持って税控除をゲットするのが賢いのよ。

 

お、おう。。。

 

ということで、3月以降僕はほぼ毎週妻のオープンハウス(内見を実施ている売り住宅)巡りにつき合わされている。買うなら以下のような家を、と思っている。「おいおい、結局買うつもりなんかい!」との声が聞えてきそうだが、その後に会ったブローカーT女史の税金控除や返済シミュレーションがかなり説得力があったから、まあ一口乗ってみようかな、と。そのくらい重税感が半端ないのだ。

HILB
価格は60万ドルだそうな。「余裕でローンを組める。節税になる」とブローカーは勧めるが、落とし穴はないのか?

さてさて、書き溜めた断片を一挙放出したのでとりとめのない、かつだらだらした長文になってしまった。ではまた次回。

コヨーテがいる街

ずいぶん久しぶりだ。「ブログを書いている暇なんてない」なんて言う時でも実際そこまで忙しいことは稀なはずだが、さすがにここ数週間は新しい仕事が本当に忙しく、ブログを書いている暇も本当になかった。

 

今日は一旦山場を過ぎたのでこうして書いているが、今月下旬には東京に出張することが決まるなどまだまだ忙しい日々は続く。このままコンサルティング屋としての比重が高まっていけば、いよいよ輸入代行業からのフェードアウトを考えないといけないのかもしれない。

 ** 

 

さて、仕事しているか食ってるか寝てるかというくらいのここ数週間で、ちょっと信じれらないことが起きた。僕が一番仲良くしている近所の若夫婦に昨日久々に会った。一通り世間話をしたあと、旦那の方のキャメロンがおもむろに「悪いニュースがあるんだ」という。

 

最初に思ったのは彼らがとうとう引っ越すという話だ。昨年の今頃「2匹の犬を広い庭で遊ばせたいので少し田舎に引っ越すことを考えている」と言っていたし、いよいよ実行に移すのか、と思ったのだ。

 

僕は冗談ぽく「いやいや、聞きたくないよ」と耳を塞ぐゼスチャーで笑いながら言ったが、彼らの深刻そうな顔に引っ越し程度のことではないとすぐに気付いた。

 

「だとしたら悪いニュースって何だ…?」

 

僕は彼ら夫婦が2匹の犬をそれぞれ抱っこしているのを見て、彼らの飼い猫”ハミルトン”の不在に気付いた。まさか、と思った瞬間キャメロンが言った。

 

「ハミルトンが死んだよ」

 

にわかには信じることが出来なかった。ペルシャとかヒマラヤンの血が入ったぺしゃんこな顔、ひょうきんな動きでコミュニティー内をうろうろ歩き、美形のメス猫の後ろをストーカーのように付いてまわり(彼はとっくに去勢されているが)、犬を散歩させる飼い主に一緒についてまわり、いつもノンシャランとしていたあのハミルトンが死んだ?

 

「いつ?」と聞くと、それは2週間前だったという。僕が仕事でまさにテンパっているときだ。そのころは116時間くらい、外出はおろか窓も開けず、自宅に引きこもって仕事をしていた。

 

「何で?」と聞くと、これが衝撃的だった。

 

「コヨーテに食い殺された」

 

「へ?コヨーテ?どこで?」

 

「ウチのすぐそばだよ」

 

 **

 

僕の住んでいるコミュニティーは、歩いて10分のところに手つかずの自然が維持された大きな郡立の公園がある。そこには確かにコヨーテやボブキャットなどの希少種もいる。そしてたまに、このコミュニティーにコヨーテが入ってくると近所の人が言うのを聞いたが、僕自身は目撃したことはなかった。

 

去年の秋のある晩のことだった。僕と妻でキャメロンの家で夕飯を食べお酒を飲んでダベっていた時、誰かがドアをノックした。日曜の夜9:00ぐらいのことだったので、誰が何の用件だろうと皆でいぶかしく思いつつも、キャメロンが対応した。

 

結局30分ほど外で話をしてからキャメロンは戻ってきたが、訪ねてきたのはこのコミュニティーに住むおばさんで、用件は「あなたの猫をさっき見つけたけど、もう家に入れなきゃだめよ。コヨーテに襲われたらどうするの?」という説教をしにきたとのことだった。

 

僕は笑ってしまったし、アメリカ人がそんな風に干渉してくるなんて結構意外な気持ちがした。でも、猫は気ままに好きなことをするのが「本業」だし、完全な家猫ならまだしも放し飼いの猫を家に閉じ込めるなんてかわいそうだと僕は心底思い、キャメロンには「そんなん、気にしなくていいよ」と言ったし、彼らも「うん、まあ彼女なりの親切心で言ってくれてるとは思うよ。けど僕も気にしてないよ」と言っていた。

 

が、本当にコヨーテに襲われハミルトンは死んだ。僕はコヨーテの危険性を過小評価してしまったことを悔いた(いや、今も悔いている)。コヨーテはいる。僕は目撃したことはないが、いる。もっと人が多くゴミゴミしたLAの方でさえコヨーテは出る。にもかかわらず、その危険性を真剣に考える発想は全くなかったし、猫は自由気ままに好きなことをすべきだと考え、そのおばさんの忠告を一笑に付した。

 

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僕はハミルトンの日本名の「名付け親」だ。といっても、ハミルトンの発音になるよう漢字で「歯診遁」と付けただけだが。

 

 歯 診る 遁

 (His) Teeth / Checked (by a vet), then (he) Escapes

 

漢字の意味を説明するとキャメロンたちは「獣医に診察されているハミルトンの姿そのままだよ!」と大爆笑した。そのくらい元気で、個性的で、独特の存在感を醸していたのがハミルトンだった。

しかし、健康を害すどころか健康で自由闊達に生きる猫であったが上、そしてそれを是としてコヨーテが出没するような自然を残したこの場所で放し飼いをしていたが上、この悲劇は起きた。
僕らの愛猫の死よりもずっと大きな後悔が残る。

アメリカの物価に対する雑感(高いもの編)

「アメリカの物価は安いものは極端に安い」という話を前回書いた。おさらいすると、モノやサービスが極端に安くなるのは「大量生産できている商品をそのままシンプルに、何の付加価値もなしに売る場合」だ。

しかし、逆に大量生産品でも一個売りの場合や人の手間がかかっているモノ、そして「アメリカの国柄を反映したサービス」は途端に高くなることが多いのだ。そこで今日は「何でこんなに高いの!」というものの紹介だ。

 
◆車の保険 

まず「アメリカという国の国柄」が理由で極端な高値になっているのだろうと思われるサービスで、しかも生活上必須のものの代表例は車の保険だ。東京では車を持っていなかったから詳細は知らないが、日本の保険のCMを見ていると2万とか3万とかくらいから保険に入れたはずだ。

だが、僕と妻は
1300ドル(156000円)払っている。勿論保証内容を最小限にすれば少しは安くなるのだろうが、それでも二人で500ドルなどという商品はない。恐らく訴訟社会のアメリカで事故ればとてつもない賠償金を請求されかねないため、それを見込んだ保険料設定になっているのだと思う。「アメリカの国柄」と言った理由はこれだ。僕らの保険もフルカバーだ。下の写真みたいな目にあったし。

IMG_1289
2013年10月、左折中に信号無視のおばあさんに追突され、バンパーが死ぬ

 
◆医療費 

そしてもう一つの代表例が医療費だ。アメリカの健康保険制度というのは日本の国民皆保険とは全く違い、「民間の保険会社の保険商品にユーザーが好きに選んで入っていい」というものだ。日本でサラリーマンをやっていれば給与額と保険料は比例するが、アメリカではそんな仕組みはない。会社は私企業である保険会社と法人契約し、従業員は会社のルールにのっとり保険料を負担する。


個人事業主は日本では国民健康保険に入り、その保険額は所得に連動するはずだ。だがアメリカは保険会社を自由に選んでいいし掛け金も懐事情による。だから、貧乏なら貧乏なりの掛け金で、お金持ちはお金持ちなりの掛け金で商品を選べる。結果、一般人と金持ちのカバー内容は全然違うものになる(なお本当の貧困層には政府が保険を用意している)。

 

たとえば「保険会社が負担を始めるのは医療費が300ドルを超えたところから」、という契約になれば(普通の庶民は大体そんな契約になる)、もし医療費が298ドルだった場合自己負担は100%だ。日本なら500円でも5万円でも3割負担なのに。

 

しかも、もしあなたが何らかの事情で無保険だったら、そしてもし「たかが盲腸」でも患ってしまったら、恐らくあなたは真っ青になるだろう。何しろ手術にかかる費用は最低でも20000ドル(240万円)だ。標準的な内容の保険に入っていれば年間の負担総額は5000ドル程度の契約になっているはずだから差し引き15000ドルは保険会社持ちだが、無保険なら全額負担だ。しかもしかも、あなたが無保険とわかったら手術を拒否される可能性だって低くない。アメリカは怖い。

 
◆住居賃貸料

ほかに生活に密着したもので特記すべきは家賃だ。僕の家(コンドミニアム)は60平米で日本風に言えば1LDKだが、これをもし借りるとなると相場では1350ドル(今のドル円レートでは162000円)払う必要がある。駅から10分のところにある僕の赤羽の3LDKのマンション(恥ずかしい呼称だ)を貸してもそんなに高い家賃は取れないのではないだろうか。

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我が家のリビング

南カリフォルニアの(一応)都会にあるとはいえ、まだまだ手つかずの土地も豊富にある環境だ。なのに、曲がりなりにも東京23区内のターミナル駅から10分の場所にある3LDKのマンションの賃貸価格が、そんな場所と比べ同じか安いっていうのは普通ではないと僕は思う。アメリカではサラリーマンや学生さんの中にはルームシェアで何とか負担を抑えたがる人も多いが、それは当然のことだと言える。

 
◆単品売り 

あと身近なところでは、モノの「一個売り・一本売り」には気を付けた方がいいだろう。たとえば冷蔵庫で冷やされたコーラ(550cc入りペットボトル)は一本200円かかる。これはスーパーでもコンビニでも一緒だ。350㏄入りの缶コーラなら数ケース単位での購入なら1本あたり25円で買えるのに200円払ってどうするの、って話だ。ガムも一個単位なら120円だ。3個セットなら200~240円程度なのに。

 
◆安いものの追加情報 

生活密着品やサービスで高いモノの例で思いつくのは以上のような感じだが、結局のところアメリカの物価の話になれば「安い事例」のほうが多い。生鮮食品は普通なんでも圧倒的に安いし。(ただ意外と卵が高い。普通サイズで普通品質の場合、今は1ダースで260円くらいだ。ご注意願いたい)。なので最後にまた安いものの例を数点あげて今日は終わりにしたい。

 

<肉類>

鳥肉は1パウンド(453g)で1.5ドル(180円)で買え、しかも非常に臭味がなく旨い(豚も安くてまあまあ旨い。牛だけが安いがまずい)。

 

<光熱費>

僕と妻でアメリカに来てから、ガスは月平均9ドル、電気は月平均13ドル程度にしかなっていない。東京で暮らしていたころのガスや電気の価格は詳細には覚えていないのだが、毎月光熱費は両方で最低でも月平均1万円は行っていたはずで、2500円で済んでいたという記憶はない。

ただ、単位あたりの価格が安いのは確かなのだが、それ以上に重要なのはここの気候である。何しろエアコンを使わなくていい。夏は暑いけど湿気がないから暑がりでない限りエアコンはいらない。冬は温暖でストーブとかがいるのはせいぜい10日前後だ。この気候が電気ガス代の最小化につながっている。なお、上下水道については、僕の住んでいるコミュニティーが固定の管理費の中に組み込んでいるのでいくらなのかわからない。

 

<ガソリン>

ずっと昨年夏くらいまでは1ガロン(3.78リットル)あたり3.5ドルだったが、今は2.3ドルになっている。リッター換算で0.6ドル、72円だ。なお、カリフォルニアはガソリンは高い方なので、安い州なら更に安い。この記事を書いている現在一番安いのはオクラホマ州で「ガロン平均1.84ドル」だ。これをわかりやすく円とリッターで言うと「リッター58円」となる。

 

こんな感じだ。

南カリフォルニアの「意外」な事実

何日か前のエントリーで「南カリフォルニアだって雪は降る」、という事実を書いたが、雪どころか南カリフォルニアに雨が降ることさえ結構イメージから外れる事実であるので、「It Never Rains in Southern California(邦題:カリフォルニアの青い空)」という曲では、そのことを織り込んだこんな歌詞がある。

 Seems it never rains in Southern California 
 南カリフォルニアには雨が降らないように見える
 Seems I've often heard that kind of talk before
 そんな話を以前聞いたことがある
 It never rains in California, but girl, don't they warn ya?
 南カリフォルニアには雨が降らない…でも誰にも言われなかったかい?
 It pours, man, it pours
 実際は降るんだよ。土砂降りの雨が。


雪も降れば土砂降りの雨も降る。どちらも事実ではある。が、一年のうち300日は晴れる南カリフォルニアでは、やはり雪や豪雨に遭遇するのは稀なので結局いつまでたっても「ウッソ!マジ?」的なリアクションをとってしまう。

僕にとってもう一つの「意外」は風邪である。2012年9月下旬に渡米以降、僕は風邪など全く引かなかったのだが、2014年年末に初めて風邪らしき症状で往生した。その時はすぐに治ったが、1月に入って暫くするとまた同じような症状(頭痛、関節痛、筋肉痛)が出てきて、これも暫くして治った(というか、運動不足からくる肩こりや頭痛だと思った)ら先週末またまた同じような、しかも今度は更にパワーを増した風邪を引いて、これは現在進行形である(
勿論仕事に支障は一切きたしてはいないものの辛いことは辛い)。

今回は従来の頭痛や関節痛の痛み系に加えひどい咳と寒気を感じているのだが、ぶり返すたびに強力になっていくので、何か違う病気かと一瞬思ったりもした。だが、飼い猫Picoを土曜に医者に連れて行った折、そこの受付の人(2人)と話していたら意外な発言を耳にした。

 僕  :南カリフォルニアで風邪を引くなんて夢にも思わなかったけど、
     皆さん、風邪引きます(まあ人間誰だって引くとは思うけど)?
 A 女史:勿論ですよ。
 B 女子:一旦引くと、結構強力ですよね。
 僕  :ですよね。僕も12月下旬に一回引いたのが、治ってはぶり返すの
     繰り返しなんです。なんというか、タチが悪い(nasty)風邪って感じです。
 A 女史:私もそう思う。一旦引くといつまでも治らないですよ、こっちの風邪は。
 僕  :やっぱりそうなのか…。みんなこっちでは冬でも半袖だけど、僕は今日は
     コートにマスクで過ごすつもり。日本では風邪引いてなくてもマスクするし。
     これ、やっぱりおかしいですか?
 B 女史:日本では多くの人がマスクするって話は結構有名ですよね。こっちでは
     マスクするのはまあレア、よね。一応SoCal(南カリフォルニアのこと)の
     人ってファッション気にかけるし。
 A 女史:私はするわよ、マスク。人がどう思おうと知ったことではないし、
     風邪を引いたら人にうつさないようにするのは絶対的に正しいはずだしね。
 僕  :ですよね。では僕は、この恰好のまま帰ります。


ということで、ダウンジャケットを着、妻が日本から持ってきたピンクのマスクをして帰宅した次第だが、車が信号で止まるたび対向車のドライバーの視線が痛かった。まあ背に腹は代えられなかったからいいのだけれど。

で、どうやら南カリフォルニアの風邪は質が悪いというイメージは間違いないと思う。今のところ3人の意見でしかないとはいえ「合致率100%」の意見なので、読者諸兄は憶えておいて損はないと思う。

一方、彼女らの発言で賛成しかねるものがあった。それは「こっちの人はファッションを気にする」というくだりだ。老若男女が年中Tシャツを着て、その半分はお腹がポッコリ出ているのではないか!というほどガタイのいい皆さんがファッションを気にしてるって?いやいや、それはない。いやいやいや、ないない。まさに 
(ヾノ・∀・`)ナイナイ って感じだ。
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