また出会いがあった。I-90を西に向かっていると、Butte(ビュート)という町で急に激しい雹に見舞われた。車が凹みそうな勢いでこれ以上進みようがないと判断し、その町の手近なモーテルにチェックインした。エントランスのそばの喫煙所でタバコを吸っていると白人の小さな男の子がミニカーを手に僕に何かを言いながら近づいてきた。

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何を言っているのか殆どわからなかったが、適当に構っていると母親がやってきた。ミネソタ州ブレイナードに住むカーラ、トム、ジョーイ、アニーの4人家族は休暇を利用してカーラの親の住むシアトルに行く途中だった。僕らと同じく雹の影響で進むのを諦め、ここに泊ることにしたのだった。

トムは木工職人兼電気製品の設置担当をし、カーラは地元のカレッジの事務で、5歳の息子と2歳の娘がいた。色々話したけれど、僕がラジオ局に勤めていると言ったらトムが興味しんしんで「出力はどのくらい?」とか聞いてくる。「そっちか!」という感じで深イイ話しは特にはなかった。最後にデジカメで上の写真を撮り、日本に帰ってからメールで彼らに送った。これが縁で僕らは2007年にカーラ達の家を御邪魔することになる。そして今もFacebookなどで互いの消息を確認し合っている。

翌朝、このままシアトルに行くかどうか迷ったが、まだ行っていないオレゴンを残してしまうことになるのし、どうせならとポートランド経由でシアトルにいくことにした。

05-11
Butte -- 1000km --> Portland (OR)

何しろ行程は1000kmあるのでガンガンに飛ばした。まず西北西に進んでアイダホの北端を通過するとワシントン州に入った。南西に進路を変えコロンビア川にぶつかるとオレゴンだ。途中一か所だけ寄った場所は、この川沿いに「Louis & Clark」の文字を発見した所だった。

1800年代初頭、彼らはジェファーソン大統領から「貴殿の任務は、ミズーリ川とその主流にかかる沿道、さらにコロンビア川、オレゴン川、コロラド川ほか太平洋との連絡水路を探索し、大陸を最も短い距離で横断、かつ通商を行う目的で通行できる陸路を発見すること」との命令を受け、太平洋目指して通行可能なルートを探索していた。そのルイス&クラークの歩いた場所が下の写真のあたりだった。

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映画「スタンドバイミー」を彷彿とさせる風景だった。

 ポートランドには18:30に着いた。モーテルを探してチェックイン。1000kmは効く。堪える。でも楽しい。アメリカで暮らせたら運転手もいいかも、などと思った。

翌日はポートランド市街を見てみたが、またも雨だった。小じんまりした街で印象は悪くはなかったが雨だけはうんざりだった。

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結構有名だというポートランドのバラ園

そういえばオレゴン州南部のメッドフォードに住んでいたメル友・ナンシーは、来る日も来る日も雨という天気に「鬱病になりそう」というメールをくれたのを最後に音信不通になっていた。僕は本当に雨が嫌いだ。それなら灼熱の砂漠がいいのだ。だからここには住めない。そう思った。

そしてシアトルに来た。
05-12
Portland -- 250km --> Seattle (WA)

ショッピングや名所訪問(Sleepless in Seattleのロケ地巡りとかセイフコフィールドに行ったりとか)などをして3日間楽しんだ。シアトルも晴れたり降ったりを繰り返した。いい街だったが僕には向かないところだった。

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スタバ第1号店

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「シアトルの眠れない男」がよく来る設定の店

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恐らくBellevueから見たダウンタウン