アメリカという甘美な幻想

南カリフォルニアはオレンジ郡に住むオヤジです。妻共々サラリーマンでしたが、2011年にグリーンカードが当たり、アメリカへの憧れに抗しきれずに2012年10月に移住してきました。個人輸入代行やコンサルタントを生業にした後、2016年からは会社員(人事、法務など)に。移住する遥か前から積み重ねてきた様々な「アメリカ体験」も含めて文章に残すためにこのブログを書いていますが、会社員復帰以降は忙しすぎて更新は稀に。。。面目ない。

ビュート

2005年、ナッシュビルからシアトルへ(その三)

また出会いがあった。I-90を西に向かっていると、Butte(ビュート)という町で急に激しい雹に見舞われた。車が凹みそうな勢いでこれ以上進みようがないと判断し、その町の手近なモーテルにチェックインした。エントランスのそばの喫煙所でタバコを吸っていると白人の小さな男の子がミニカーを手に僕に何かを言いながら近づいてきた。

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何を言っているのか殆どわからなかったが、適当に構っていると母親がやってきた。ミネソタ州ブレイナードに住むカーラ、トム、ジョーイ、アニーの4人家族は休暇を利用してカーラの親の住むシアトルに行く途中だった。僕らと同じく雹の影響で進むのを諦め、ここに泊ることにしたのだった。

トムは木工職人兼電気製品の設置担当をし、カーラは地元のカレッジの事務で、5歳の息子と2歳の娘がいた。色々話したけれど、僕がラジオ局に勤めていると言ったらトムが興味しんしんで「出力はどのくらい?」とか聞いてくる。「そっちか!」という感じで深イイ話しは特にはなかった。最後にデジカメで上の写真を撮り、日本に帰ってからメールで彼らに送った。これが縁で僕らは2007年にカーラ達の家を御邪魔することになる。そして今もFacebookなどで互いの消息を確認し合っている。

翌朝、このままシアトルに行くかどうか迷ったが、まだ行っていないオレゴンを残してしまうことになるのし、どうせならとポートランド経由でシアトルにいくことにした。

05-11
Butte -- 1000km --> Portland (OR)

何しろ行程は1000kmあるのでガンガンに飛ばした。まず西北西に進んでアイダホの北端を通過するとワシントン州に入った。南西に進路を変えコロンビア川にぶつかるとオレゴンだ。途中一か所だけ寄った場所は、この川沿いに「Louis & Clark」の文字を発見した所だった。

1800年代初頭、彼らはジェファーソン大統領から「貴殿の任務は、ミズーリ川とその主流にかかる沿道、さらにコロンビア川、オレゴン川、コロラド川ほか太平洋との連絡水路を探索し、大陸を最も短い距離で横断、かつ通商を行う目的で通行できる陸路を発見すること」との命令を受け、太平洋目指して通行可能なルートを探索していた。そのルイス&クラークの歩いた場所が下の写真のあたりだった。

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映画「スタンドバイミー」を彷彿とさせる風景だった。

 ポートランドには18:30に着いた。モーテルを探してチェックイン。1000kmは効く。堪える。でも楽しい。アメリカで暮らせたら運転手もいいかも、などと思った。

翌日はポートランド市街を見てみたが、またも雨だった。小じんまりした街で印象は悪くはなかったが雨だけはうんざりだった。

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結構有名だというポートランドのバラ園

そういえばオレゴン州南部のメッドフォードに住んでいたメル友・ナンシーは、来る日も来る日も雨という天気に「鬱病になりそう」というメールをくれたのを最後に音信不通になっていた。僕は本当に雨が嫌いだ。それなら灼熱の砂漠がいいのだ。だからここには住めない。そう思った。

そしてシアトルに来た。
05-12
Portland -- 250km --> Seattle (WA)

ショッピングや名所訪問(Sleepless in Seattleのロケ地巡りとかセイフコフィールドに行ったりとか)などをして3日間楽しんだ。シアトルも晴れたり降ったりを繰り返した。いい街だったが僕には向かないところだった。

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スタバ第1号店

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「シアトルの眠れない男」がよく来る設定の店

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恐らくBellevueから見たダウンタウン

2005年、ナッシュビルからシアトルへ(その二)

朝起きるととんでもない雨だった。叩きつけるような雨が視界を奪い、安全に運転できるか気が気ではなかった。

05-07
Sioux Falls -- 700km --> Rapid City

最終目的地のシアトルは勿論西側だが、東に少し行けばミネソタ州に入れることに気づき、とりあえず州を越してみることにした。I-90を東に20kmでミネソタ州に入った。一番近い降り口を使って転回し、西方面への車線に乗り換えた。これでミネソタ州「制覇」である。

凄まじい雨が降り続く中、人々はビュンビュン飛ばしていた。あまりノロいと煽られるのでこちらも制限速度の70マイル(110km/h)をキープしたが、この雨は人ばかりか鳥にまで影響を与え、黒い影が急に現れてパンと音を立て僕らの車の右サイドミラーをかすっていった。大丈夫だったろうか。

途中サービスエリアに立ちよると「どこから来たか記念に書いて」と係の女性に言われた。「Tokyo」と書くと、「Oh!All the way from Japan!」と驚いてくれた。「最近天気が悪い日が続いているようだけど、この雨、止みますかね」と聞いてみた。彼女いわく「この先をしばらく行くとミズーリ川を渡るんだけど、そこを境に天気が良くなるパターンが多いよ」とのこと。地元民の言うことなので当たるかも、と思いつつ先を急ぐことにした。

果たして、川を越えるとほどなく雨は小ぶりになり、場所によっては上がっていた。これなら行けるとBadlands国立公園に寄ることにした。その名も「悪い土地」。

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小雨の降る中、何がBadなのかさえわからない中途半端な写真(これしかなかった)

小雨が降ったりやんだりでどうにも冴えない中、車と徒歩でそれなりに見て回り、この日の最終目的地Rapid Cityへは15:30頃に着いた。ここまで来てやっと晴れた。

雨中の運転で神経がすり減ってヘトヘトだったが、モーテルにチェックインすると早速
4人の大統領に会いに行った。訪ねたのは宿から30kmほどにある有名なMount Rushmore(ラシュモア山)だ。
ウィキペディアのリンクを付けたけど、それを読んでもなお、どういう理由でこんな像を彫ったのか今でもわからない。

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左からG.ワシントン、T.ジェファーソン、T.ルーズベルト、A.リンカーン

ところで、この大統領がいる場所は「Black Hills」という大きな森林地帯にあるのだが、この森林がビートルズの曲に歌い込まれていることをご存じだっただろうか。彼らの曲「Rocky Raccoon(ロッキーラクーン)」の歌詞の冒頭はこうだ。

"Somewhere in the black mountain hills of Dakota there lived a boy named Rocky Raccoon"
(ダコタのブラックマウンテンヒルズのどこかにロッキーラクーンという名の少年がいた)
 ※ご案内したYoutubeビデオは歌詞で歌われた内容がアニメになっている。見られたし。

翌朝はやっと綺麗に晴れ上がった。この日は特に宿も決めておらず、行き当たりばったりのドライブを楽しむことにしていた。

05-08
Rapid City -- 900km --> Butte, MT

まずI-90ではなくUS-212を使って北西に行ってみた。ほどなくワイオミングに入ったが「行ったことのない州には行かない」という今回のテーマに抵触するので急ぎたいところだ。しかし物凄い青空の下に州の看板が2つ。撮らないわけにはいかなかった。

05-09
ところで、実はこの看板には無数の穴が開いていた。銃弾だった。こえーよアメリカ!

ワイオミングはすぐに終わりモンタナ州に入った。また看板があった。撮らないと。

05-10

こうしてだらだらと、僕らは車によるぶらり旅を楽しんだ。
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