アメリカという甘美な幻想

南カリフォルニアはオレンジ郡に住むオヤジです。妻共々サラリーマンでしたが、2012年10月に移住してきました。個人輸入代行やコンサルタントを生業にした後、2016年からは会社員に。移住する遥か前から積み重ねてきた様々な「アメリカ体験」も含めて文章に残すためにこのブログを書いていますが、会社員復帰以降は忙しすぎて更新は稀に。自由の国、アメリカを含めた全体主義への流れ。これを絶対に食い止めましょう!

オレンジカウンティー

カリフォルニアの喫煙者

なんだよ。アメリカ東南部の話じゃないのかよ、とお怒りの諸兄。まあ、どんな話から先にするかくらい、自由でいいじゃないですか。

 

さて。アメリカに住みたい方、タバコ吸います? アメリカに来ても、吸います? だとすると、経済的にいって、カリフォルニアは最悪の場所ですね。吸うところはあるんですよ。商業地域にもオフィス街にも必ず指定場所がありますから。

でもね、高いんですよ。どんなに安いタバコでも、かつ最も安く売っている販売店でも、1箱$6.50700円強)からスタートですね。毎日1箱吸う人、タバコ代だけで毎月21000円払うの、痛いですよ。

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 マルボロが850円。買います?

喫煙するなら東南部がおススメです。安いです。昨年はフロリダで、今年はサウスカロライナとかバージニアとかで確認したことですが、カリフォルニアで700円のものが300円から売っていましたから。しかも、路上で吸うのもOKのようだし(多くが歩きながら吸っていました)、車の中でもガンガン吸ってるし(禁煙レンタカーでさえものによってはタバコ臭がします)。

 

とはいえ、日本人が住むなら圧倒的に西海岸(か東海岸北部、つまりはニューヨーク)ですよね。そもそも他の地域では仕事を見つけるのが大変ですから。

 

でも、カリフォルニアの家賃の高さは知ってますよね。僕が渡米前に買った家は日本で言うところの60平米の1LDKで、これを2016年暮れから賃貸に出しているんですが、今の家賃は1680ドル(約185000円)ですよ。これでも地域で一番安く貸しているくらいなんですよ。

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 2012年8月、1ドル80円の時に16万ドル(1400万円)で買った家

サンフランシスコなんかとんでもないですよ。最新のニュースでは、「2 Beds 2 Baths(※)」の賃貸料の常識的な額が34万円くらいになっているそうです。

 

  ※日本の2LDKに近いが、正確には「リビングダイニングキッチン、
   2つのベッドルーム、そして2つのトイレ&バスがある家」という意味

 

そんな「2-2の間取り」を借りることが多いのが4人家族ですが、サンフランシスコで4人家族が普通に暮らすには、世帯年収1千万円ではもう無理だそうです。例えば、旦那さん600万円、奥さん400万円の年収では普通に生きていけというのです。この生活コストの高さはニューヨークを上回り全米一だそうで、もう狂気の沙汰です。

 

ということで、カリフォルニアで喫煙者をやるのは結構ハードですよ。え?俄かに禁煙したくなった?では次回くらいに禁煙方法とかを書いてみます。私も筋金入りの喫煙者だったので。アメリカ東南部の話はまた追って。

アメリカ故に倍加する面倒くささ

皆さん、お元気ですか?

僕は、前回のエントリーで書いたように4月にフロリダに行ったり、7月にはYellow Stone - Grand Teton国立公園に行ってきたり、普段の土日も大体500kmくらいのドライブ(サンディエゴ方面が多いかな)を楽しんでいたりと、かつてのように心が揺れることもそんなになく日常を送れている。

そういえば前回触れなかったのだけど、フロリダは自分史上初めて訪問した州なのであって、2007年に(陸続きの)アメリカ48州のうち33州まで制覇してから苦節11年、ようやく34州目を開拓できた。来年は是非メイン州などの東海岸北部に行きたいと願っている。

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フロリダ西岸のクリアウォーターという町のビーチ
 

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お馴染みアメリカ最南端の記念碑?

それとイエローストーン。ここはワイオミングとかアイダホとか既に行ったことのある州にまたがる公園なのだが、やたらに行くのが不便な国立公園なため、初めてアメリカドライブ旅行を行った2002年以降ずっと保留にしていた場所だった。そのイエローストーン。勿論興味深い公園だったけど、それよりGrand Tetonの方が個人的には思い出深かった。何しろ風景が素晴らしかった。


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”天然温泉”(何故か間欠泉の写真がなかった。あんなに撮ったのに…)

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Grand Teton。この景色にはやられた。。。

 ***

こんな感じで中二病的自分探しにともなう苦悩を一旦終えて以降、僕の精神状態はまあ安定しているものの、この3か月、つい先日まで、全然別件で僕は参っていた。やたら面倒で鬱陶しいことが繰り返し起こって、マジにかんしゃくを起こしたくなるほどだった。それらの面倒くささは日本にいても起こりうることだけれど、恐らくその大半は「アメリカであるが故に倍加するもの」だ。

 

そもそもこの3か月の間に3回も風邪をひいた。胃に来たり腹に来たりしたうえ、これはいつものことだが寒気が凄い(僕は平熱が低いのでいつも寒がっているし、風邪の時の寒気は半端ない)。しかも8月下旬のある日、血尿が出た。慌てて検査をしたが異常なしで、どうやら薬、サプリ、食べ物がたまたま尿を赤くしたと判明し、事なきを得た。

 

この話における「アメリカ倍加ファクター」はオフィスの寒さだ。いつも設定が22℃くらいになっていて部屋単位での調整が許されない。ただでさえ普段から寒くて仕方がないのに、風邪をひくと地獄になる。なので、僕はオフィスで長袖4枚を着ている。南カリフォルニアで。信じられます?

 

勿論問題はそれだけではなかった。そんな体調の中、9月上旬にネットにトラブルが発生した。いきなり接続が切れ、長時間切れたままになるのだが、それが3日に一回の頻度で起こった。完全に直ったのは10月上旬だったから、4週間以上ネットが不安定なままだったが、勿論その間僕が手をこまねいていたわけではない。AT&Tには3回連絡しているし、直るまで検査があり、ルーター交換をし、最後には工事も行われた。

 

この件での「アメリカ倍加ファクター」はトラブルシュートのために相談するのに大変な時間や手間ががかかることだ。日本のようにメールは受け付けないし、電話番号は探しにくいし、つながりにくいし、ようやくかかっても自動音声が最初に対応してくる。しかも、もはやAT&Tは「要件ごとに何番を押せ」といった自動案内じゃなく、トラブルシュート自体をAIにさせようとしてきた。

 

「ドノヨウナ症状デスカ?」

「ネットの接続が切れた」

「カタカタカタ(キーボードを叩く音)」

「イツカラ始マリマシタカ?」

「1時間くらい前」

「カタカタカタ」

「ルーターノ接続ハ…」


「おいAI!お前が直すのかよ!」 途中でそう気づいた僕は「I need a human!」と叫んだ。すると、ほどなく人間が出てきた。皆さんもいつまでもAIに付き合う気がないときは「人間出せや!」と叫ぶことだ。

 

勿論問題はこれだけではなかった。今月上旬の日曜日。外出しようとして車に乗ろうとしたとき、ガレージの壁と床の境目から水が漏れだしているのを発見。どういう類の水漏れだか特定できず、何しろ「工事の人」をすぐに予約(受付は365日24時間対応する会社)。翌月曜朝工事の人が来て、壁に20㎝四方ほどの穴をあけ水漏れの状況を確認するも、「原因がわからんので、どこから漏れているのかの調査を誰かにしてもらって」と言って彼は帰っていった。


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壁を切り取られた時点でなお原因不明だった水漏れの様子


「いや、誰に頼めばいいんだよ。お宅の会社に調査部隊はいないのか?だれか推薦するとかないのか?」と思いながら、この案件は我家が属するコミュニティの管理会社に相談すべきと考えなおし、連絡を入れ、水曜朝に調査を実施してもらった結果、お隣さんのウオーターヒーターの水漏れが原因と判明。お隣さんに直ちに漏れを止めてもらい、かつ壁の原状回復工事を土曜にしてもらった。

 

この問題での「アメリカ倍加ファクター」は工事の人、ではない(いや、彼を挙げてもいいけど)。ウォーターヒーターそれ自体だ。日本のような瞬間湯沸かし器が普及していないアメリカでは、タンクにお湯を溜め、保温しておくウォーターヒーターが主流。そしてこのタンク、経年劣化等で容易に水漏れを起こす。そしてそれに気付くのが遅れると、また漏れた場所が2階とかだと、階下の損害が尋常でなくなることがある。僕の会社の同僚にも被害者がいるし、実を言えば僕自身、家のウォーターヒーターの水漏れを去年経験している(すぐに発見して交換したけど)。

 

勿論、問題はこれだけではなかった。6日前のことだ。4年くらい前にアメリカで入れた差し歯が取れた。この差し歯は5月くらいだったか、なんか固いものを噛んだら「バキッ」と音がして、そこから少しずつグラグラいいだしていたのだが、とうとう取れた。歯科医は、差し歯の接着用に残してある自分の歯が欠けていて緩んだのだと説明した。ははん。「バキ」はそれだったか。でもそのとき食べてたのはコウナゴ。固いもんじゃなかったんだけどなあ。

 

あ、勿論問題はこれだけではなかった。4日前のことだ。4年くらい前にアメリカで治した歯が取れた。差し歯だった。いや、これは前述のものとは違う差し歯なの。それがいきなり取れたの。2日で二本差し歯が取れたの。先週金曜にはめ直しに行ったけれど、「時間の問題でまた取れるよ」と歯科医に宣告された。そうなると、入れ歯かインプラントの二択しかないとも言われた。

 

この問題での「アメリカ倍加ファクター」は「工事の人も医師も、とにかくみんなアメリカ的マインドセットだ」ということだ。そもそも何でわずか4年前に入れた「高級差し歯」がコウナゴ食ってるときにバキっとなったのか。しかも何で中一日で2本の差し歯が外れたのか。そしてその差し歯を入れた歯科医が批評家みたいな言い方をしながら「次は入れ歯かインプラントか二択ですね」みたいなことをしれっと言えるのか。

 

まあ、もうそれはいいワ。とにかくこうしたことが起きて平日に対応すれば会社に遅れることになり、土日に対応すればせっかくの休みがフイになる。そして何より生活リズムが狂う。そういう面倒がたまらんのです。でもまあ下らない悩みっちゃ下らないわな、とも思ってますけどね。

フロリダとイエローストーンの旅行で感じたことや経験したことは、また別項を立てて書きたいと思います。では。

Yelpより駐在員の妻

明けましておめでとうございます。うん、遅いですね。

 

年末年始には16連休を取らせてもらい、そのうちの14日を里帰りに費やしたが、90歳の(妻の)父が直前に転んで足を骨折し、正月明けに手術。一緒に帰った妻も含め、この帰省はてんやわんやで終わった。ただ、父は2月になって退院し、今は自宅におり、入院中のリハビリもうまくいったようで状態はまあいいようだ。

 

で、もう2月も中旬に突入した。なんてこった。長期に休んだ分忙しさ倍増。あっという間に混乱と疲弊の1月は終わってしまった。でももうこの場で忙しさを嘆くのは極力控えよう。僕が今の状況を甘受する限り、忙しくないってことはあり得ないから。

 

で、今日は何を書くかというと、反動で軽い話を書く。

 

 ***

 

昨年夏ごろだったか、「駐在員の妻たち」が書くブログを読む機会があった。僕はグリーンカードが当たる20117月まではアメリカ旅行を楽しんでいる人のブログをよく読み、それ以降はアメリカで暮らす人のブログをよく読んで来たが、駐在員の妻のブログだけは全く読んだことがなかった。駐在員とは会社から一定期間アメリカに駐在を命じられ、その後必ず帰国することが予定されている方々であるので、永住を目的とする僕にとってその奥方たちのブログはずっと関心の外だったからだ。

 

では何故駐在員の妻たちのブログを読むようになったかというと、それはこの人たちの多くがやたらと食い歩きをし、その食レポを事細かにブログに書いてくれていることに気付いたからだ。僕は食が細く、しかも食えるジャンルも狭い。しかもしかも牛肉は好きだがタンはとてもじゃないが食えず、焼き鳥は好きだがハツだのミノだのはとても食えないというピッキーさだ。なので、新規開拓してがっかりするくらいなら、行きなれた店に毎回通っていつも食べているものを食べるほうを選ぶタイプなのだが、これだと妻が不満を溜めてしまう。

 

そこでYelpのようなお店紹介サイトを頼るのだが、何しろアメリカ人の方々と日本人の僕の基準は異なるので、結構「騙された!」と思える経験をしてきたわけだ。で、「確実に旨い店はないのか?」とネットで色々調べていた時に出くわしたのが「駐在員の妻」のブログだった。この方々、やたら食っている。信じられないほど色んなところで食っている。そして、さすが同胞。そこで紹介されていたある店(四川料理の店だったと思う)に行ってみたら、紹介通りに美味しかった。やはり彼女たちの食レポは信頼が出来る!というわけで、旨い店を見つけ出す確実性を上げるために「駐在員の妻のブログ」を頼るようになった次第。

 

僕はある店を殊更に宣伝する気はないし、店名は妻が記憶する役目を負っているので今まで行った店の名前なんかはほぼまるで思い出せないのだが、いずれにせよ僕がここで店名を書かないことは何の問題もないのである。そう。「駐在員の妻たち」がきっちり教えてくれるから。


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写真は昨年12月初旬に行った、コスタメサだったかどっかにあるスペイン料理の「何とか」という店の「何とか」という名前の料理である(うむ、食レポーターにも食ブロガーにも絶対なれないな、僕は)。スパニッシュなどまず食わない僕が妻に無理に連れていかれたのだったが、結果は非常にうまかった(皮肉なことに、ここはYelpで決めたんだけどね…)。

日本に住む皆さんに言っておくが、アメリカ(というかカリフォルニアというかオレンジカウンティー)は、本当に食のレベルが上がっている。こと和食以外に限って言うと、東京よりうまい店が多いとさえ感じることもある。しかもまだ発展途上のその和食でさえ、数は少ないが東京の普通にうまい店レベル以上の味を出せるところも出てきた(ま、前も言ったけど味覚は人それぞれだからこれはあくまで僕個人の感想ね)。

ただし、食の細い僕ら夫婦(二人合わせても体重100Kgさえない…)でさえ、そういう旨い店で腹いっぱい食べるとチップ込みで一人5千円から7千円くらいになる。だから旨いレストランはやっぱり安くはない。でも贅沢している気はないのです。だって僕らの平日の食費は、それどころか平日一日に使う飲食関係のお金は、おそらく二人合わせても一日1000円にもなっていないから。我家は「おとうさんのお小遣い、1日500円」という家です。

あと、アメリカは食べ残しを持って帰れる習慣があるのもいい。これは絶対日本も真似すべきと思うが、食べ残しを入れた袋を持って電車に乗るのはやっぱり少し躊躇しちゃうか。。。


ではまた。

年末に思う

アメリカは23~25日が「土日クリスマス」の3連休である。金曜時点で会社があるビルの駐車場はスカスカで、この時点で多くの人がもう年末休暇モードに入っていることがわかった。あ、珍しいでしょ?十日を置かずに僕がブログを更新するなんて(笑)。

 

実は今日は朝5時に起きて東京に行く妻をLAXまで送っていった。LAXに行くのに使ったインターステート405号線はクリスマスイブの早朝ということで流石に空いていたし、LAXで妻を降ろすときも空港(トムブラッドレー)の利用航空会社の入り口前に簡単に車を停められたけれど、それから少し時間が経てばLA脱出組と観光組でLAXはごった返し、405も混むんだろうと思う。

 

さて、かく言う僕も、実は明日東京に向かう。夫婦で(妻の)両親に顔見せするのは久方ぶりで、この帰国の目的の99%は「高齢の両親に対する親不孝状態の一時的解除」にある。で、このブログは日本の友人知人、兄弟姉妹、親戚縁者が読んでいる可能性があるので申し上げておくが、正月の家族団欒と東京の自宅の修繕やら何やら高齢の親が普段出来ないことをしてあげることが本帰省の目的であるため、皆さんにお会いできる時間を確保することは事実上できない。そのため、事前にこの帰省をお知らせすることはあえてしなかった、ということをご理解頂ければ幸いだ。

 

 ***

 

2017年が間もなく終わる。サラリーマンに戻って丸2年。「忙しい忙しい」とほぼ毎日言っていた2年間だった。そしてこの1年は、自己決定権に基づき自らを自らが御する人生を求めてアメリカに来たのに、結局サラリーマンに戻った自分の人生に大いなる疑問を持った年だった。そして疑問を持ったまま人生を終えないために、自己決定権に基づく人生の再構築を誓った1年だった。

 

愛してやまないOCに住めているこの状況を捨てる気は全くなく、今後とも「サラリーマン脱出計画」はこの地で、かつ生活の糧を維持するためにサラリーマンを継続する中で遂行されていくことになる。その際、唯一最大の敵は自分自身だ。とにかく忙しさと経済的安定を失うことへの恐れ(による現状への妥協)という自分の中に住む2大抵抗勢力に勝てるかどうか。それがこの計画を徐々にでも着実に進めるための鍵だ。計画を進める意思と実行、それなくば、僕はずっとサラリーマンでいるしかない。しかしサラリーマンとしてずっとOCに住んでいられていても、やはりそれは100%の本意ではない。いつやるの?今でしょ。流石にもう古いか。。。

 

 ***

 

おっと、生活手段がサラリーマンであることに何ら問題ない人にも申し上げたい。それはそれで全く構わないし、実際そういう人がこっちでも圧倒的多数派だ。起業して生計を立てている人なんて少数派だし、それで経済的に安定している人は更に少なくなる。僕はまさにその少数派として3年暮らし、多数派として2年をこの地で過ごしたけれど、あなたがアメリカでの生活と自己決定権とを強く結びつけている僕のような人間でなければ、是非サラリーマンとして生きるための計画を練り、実行してください。今アメリカは、ことにカリフォルニアは本当に好景気。日系企業も含め、雇用環境は良好。そして前回のエントリーで、そしてこのブログで何度となく書いたように素晴らしい住環境がここにはある。僕が愛してやまない荒涼たる砂漠を貫く一本道も。


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A desert road from Veags to nowhere (2017年4月8日)

だから、アメリカで暮らすことに興味があってこのブログを読んだあなた。その思いが本気かどうか自問自答し、本気だと結論が出ているなら、是非実行を。人生は一度。失敗込みで人生。そう思える人は実行を。「やらなかった人生」を後から悔やむより、やって失敗した方が恐らくマシと思え、かつ「やって失敗」という結果が出た時に、その事実を自ら引き受ける覚悟があるなら実行を。宝くじは買わなきゃ絶対損しないけれど、当たることも絶対ない。それを踏まえ、当たるために少々の損を覚悟できるのなら実行を。


来年はどんな1年になるかな。いや、どんな1年になるかは、僕次第か。 

それでは皆さん、良いお年を。

OC(オレンジカウンティー)賛歌

やたらお久しぶり。今日は忙しいとかそういう話は一切抜きにして、表題通り僕が住むオレンジカウンティー(OC)を賛美しようと思う。

 

さてさて。大谷がアナハイムに来る。アナハイムまで車で30分の所に住む僕には素晴らしい話だ。ドジャースには前田とダルビッシュがいるけれど(ダルは今後どこに行くか不明だが)、LAのダウンタウンにあるドジャースタジアムまでは車で1時間半はかかり、往復3時間の他に球場を出るときの渋滞なんかも考えるとなかなか行く気が起きなかったが、アナハイムは近いし、何より球場の雰囲気が非常にいい。

 

4年前、遠路はるばる東京から遊びに来てくれた大学時代からの旧友とその夫人とともにアナハイムに野球を観に行った時、その美しさ、そして人の優しさには本当に驚いたものだった。


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2013年夏。アナハイムのスタジアム。


何しろ駐車代を払うブースに車を止めて財布を出そうとしたら、そのブースの逆側に車を止めたお姐さんがブースの窓越しに僕らにウインクしつつ、僕らの分まで代金を払ってくれた。試合観戦前からすでに「いい感じ」で、実際球場に入るとその美しさに感動し、また応援も活気がありながら上品で温かく、ベースボールを楽しんでいる感じが非常に素晴らしかった。

 

でもそれは、ここに5年も住んでみればもう不思議にも意外にも感じない。だって僕が住むAliso Viejoがあり、またこのアナハイムがあるオレンジ郡(OC)はそういうエリアだから。同じ南カリフォルニアでもLA郡とはかなり違う。気候はほぼ同じだけど、街並みはOCの方が整備されている。緑の多さが違う。そして人がどこかおっとりしていてやさしい。


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近所の公園内にあるバーバラ湖。今年の春。湧き水による自然湖。

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近所の道路。今年の春。


 

ところで、大谷に関する報道で「アナハイムを選んだ大谷は、日本人コミュニティーがもたらす日本食やその他有形無形の恩恵を受けられるだろう」的な話が出たのを聞いたり読んだりした人もいると思うが、それはその通りだと思う。

 

で、OCで日本人が最も多いのは恐らくコスタメサという町だ。ここには日系スーパーと日本食屋が集中している。僕も妻も2週に一回は日系スーパーに買い物に行く。即席ラーメン、うどん、和牛、納豆、長ネギ、かっぱえびせん、柿の種、和菓子、サッポロビール、魚肉ソーセージ、牛丼の具要するに「日本のもの」を買いに行くのだ。値段は輸入物は高額。現地製造は安い。ただ、長ネギなど日本人しかほぼ需要がないものは、薄利多売ができないために現地生産でも高い。

 

なお、日本食はコスタメサばかりにおいしい店があるとは限らない。僕(や多くの人たち)は、おいしいカツ丼を食べたいならスタントンというOC内陸の町にある和食レストランまで行くし、おいしい寿司ならばアーバインという町のとあるレストランが頭抜けている。ただラーメンに関しては、コスタメサに限らずアメリカに進出したラーメン屋のラーメンは、日本のそれと比べて値段に見合ったおいしさは出せていないと僕は思っている。

それでもあえて推すとすれば、第一に喜多方ラーメン坂内となる。東京で慣れ親しんできた味をかなり再現できているし、実際坂内が恐らくOCで一番行列が途絶えないラーメン屋となっている(文字通り「いつも」行列ができている)。あとは山頭火。日系スーパー「ミツワ」のフードコートに入っていて、僕自身アメリカに来て初めて食べたラーメンが山頭火だったけど、費用対効果は他のラーメン屋よりはいいと思う。ま、でも食べ物は好みだからあまり参考にはしないでください。

 

 ***

 

ということで、このブログで一貫して言ってきていることだが、本当にOC以上のところはアメリカにはないと僕は思っている(僕は、ですので念のため)。12月中旬の今日も20度を超える気温。青空、青い海、緑多き街並み、そして治安の良さ。まさに全米屈指の住環境がここにはある(と僕は思っている。僕は、ね)。そしてリトル東京を擁するLAや、その南にあるトーランス(恐らく最も日系人が住むエリア)ほどではないが、日系スーパーなどの日本人になくてはならない存在もOCは備えている。僕なんかはそのOCの「丁度いい日本人密度」がむしろ好きだ。だから是非、アメリカに住みたい人はOCを候補に置いてもらいたいと思う。


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冬のラグナビーチ。ここには車で10分かからず来れる。

 

但し。但しだ。このような環境を享受するにはどうしてもある程度金が要るのだ。人気エリアに住むには金がかかる。たとえば僕が店子に今貸している60平米の1ベッド1バス(日本の1LDKのようなもの)の家の賃料が17万円。これはこのエリアでは破格の部類に入る(ので次回は値上げする予定だ)が、1LDK17万の家賃なんて常識的に言って高すぎるだろう。


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これが今貸している1LDKのリビング。201611月、貸す直前に撮影。


にもかかわらず、子供のいる夫婦なんかは2ベッドに住み、その場合家賃は最低でも22万から25万は払っている。なんでそんな額を払えるのか、払える人がそんなにいるのか正直わからない。勿論そんな金額は払えない人もいて、そういう人たちはアパートをシェアするなどで凌ぐことはできる。が、いずれにせよOCの好環境を享受したい場合はとにかく家の確保で大変になる(それでもシリコンバレーほどではない。あそこでは年収600万ではどんな家を借りても足が出て、生きていけないという。正直狂っている)。

 

ちなみに、3年前、僕が輸入代行業を廃業しようとしていた時はかなり大変だった。何故なら当時の我が家の様々な控除後の手取りは270万円、月平均で23万弱ほどだ。この状況でコミュニティーへの管理費が月4万円、ネット13千円、携帯2台で12千円、車の保険は毎月にならすと2万円、電気代とガス代で3千円(低い!)、ガソリン代が2台分で15千円。これだけで103千円が出て行っている。残り13万円弱。ここから当時がんを患っていた猫の治療費が毎月7万円で残り6万円。さらにここから二人分の食費が出ていくので、何か不意に支出が出ればもう赤字だ。

 

この状況で生きていけたのは、僕らが渡米時に日本での貯金をはたいて家を買っていたため家賃がかからなかったからだ。もしあのとき僕らが家を賃貸せざるを得ない状況だったら、OCはおろかアメリカでの生活自体が成り立たなかっただろう。


 *** 

というわけで、OCで生きていくのには、高い家賃を意識した計画がどうしても必要。これは致し方ないことだ。でもね、僕の暮らすAliso Viejoは、面積19.4平方km、人口5万人ほどなのに、公園が20以上もあって、しかもその公園は「なんちゃってレベル」の規模ではなくて、全てが広く、全てが芝生で覆われ、手入れも常に行き届いている。


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うちのすぐそばにある公園の一つ。うちから500メートル以内に公園が5つほどある。


というか、Aliso Viejoに限らず、とにかくOCは、特に海側の地域は、一度暮らせば二度と出たくないほどに住みやすくて、だから全米から、そして世界中から住みたいという人が殺到してるわけだ。それだけの価値がOCにはあると僕は思うし、あなたがそれに魅了されたとして何の不思議もない。まあとにかくお越しやす。

治安は金で維持する

日本の不動産価格は都市全体の利便性、特に交通アクセスの利便性と高い相関関係があるので、東京であれば必然的に都心が「一等地」となる。各都市も恐らく同じで、県庁所在地の駅前が各道府県で一番高いということで大体は間違いないと思う。勿論それに加えておしゃれな街だとか、公園が多いとか、道路の騒音が少ないとか様々な要素が加わり最終的な価格が決まるが、アメリカで最重視されながら日本ではほとんど意識されないことが一つある。そう、治安である。

僕が事務所兼住居として買った家は、ロサンゼルスから80kmほど南にあるオレンジカウンティーのAliso Viejo(アリソビエホ)市というところにあるが、ここを買った理由は明確だ。

 1)個人輸入代行の仕事が出来る最低限の都会性を持つ
 2)個人輸入代行に不可欠な日系の配送会社の集荷範囲にある
 3)治安が良い
 4)気候が温暖で晴れが多い(僕は雨と寒さが苦手で高温はかなり平気)
 5)採光に優れる
 6)上記を可能な限り全て満たしつつ予算に収まる価格である

要は、生活者として住むことと仕事のしやすさを両立をできる場所として最適な場所はどこかを調べ、1)と2)の観点でカリフォルニア州沿岸部がベストであり、3)と4)から南カリフォルニアがベストであり、その範囲内で5)と6)を基準に具体的な物件を探したわけだ。

さて、日本では殆ど意識しなくていい「治安」だが、アメリカでは本当にそんなに安全・危険に地域差が出るのだろうか。答えは「出る」。

僕ら夫婦の住むアリソビエホ市は、人口約5万人のうち70%が白人である。これはカリフォルニア州平均の40%の約1.8倍だ。世帯収入の中央値は約1000万円で、カリフォルニア州全体の600万円の約1.6倍になる。白人が多いということは、それだけ町の財政が良いことを意味する。そして収入が多い自治体は街の美化や安全面の強化に金(≒住民税)がかけられる。結果、道路や沿道の樹木等は常に綺麗に整備・管理される。そしてこのような町は、また金持ち(主に白人)を呼びこむ。

そして、住人に金があるので、市内の各コミュニティーの理事会は毎月住民からかなり高額な管理費を徴収する(よって僕ら夫婦には大変な「重税」である T_T)。これがコミュニティー内の公共部分の管理・補修などに使われ、常に美観が保たれている。コミュニティーによってはゲートを設けて住民以外は入れなくしているところも多く、部外者の侵入は容易でなく、仮に部外者が入れてもあまりに目立つため犯罪が発生しにくい。

こうして社会的・経済的に恵まれていることの多い白人が集まるところは治安が保たれ、白人が少ない地域は相対的に危険度が増していく。危険度が上がると地価が下がり、金持ちは更に出ていき貧乏人は更に流入し、結果犯罪がより増加するという負のスパイラルが生まれることになる。

また、犯罪者としては「獲物」があるところ、移動がしやすい場所、そして身を潜めやすいところに集まるので、商業地、夜間人がいなくなるダウンタウンや工場地帯、高速道路沿道、飛行場、そして治安維持に金をかけられない町などが常に狙われる場所になる。

ちなみに、Aliso Viejoの2012年の暴力犯罪発生率は人口1000人当たり0.88、窃盗系犯罪は同8.47であるが、ここと同じ郡にあり、距離にして20km程度しか離れていないAnaheim(アナハイム)市の犯罪発生率は同3.71、窃盗系は29.2となっている。アナハイムにはMLBのエンジェルス球場やディズニランドがあるなど大規模商業地としての側面があるので、犯罪者を誘引してしまうのであろう。しかしオレンジカウンティーは全体として非常に安全で、カリフォルニア州での犯罪発生率は最低であるのもまた事実なのだ。

最後に誤解のないように申し上げるが、僕は「白人が倫理的に優れ、他の人種が倫理的に劣るので犯罪を犯すのだ」などとは一切言っていない。治安は金で買うアメリカで、社会的・経済的に優位に立つ白人に金持ちが多いため、白人が集まる町は安全性が高いという事実を述べたにすぎない。そして僕は、自分や妻の身を守るために可能な限り治安のよい場所に住むという選択をしたのである。

これからアメリカに移住等をお考えで治安を事前に調べたい方は以下の「犯罪マップ」を見て頂きたい。


http://www.crimemapping.com/

それと、地域の安全性は道路と樹木の整備状況でわかるので、自分の住みたい街がいかに道路、沿道の樹木や芝生、そして公園などにお金をかけているかを判断の一助にされたい。
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