アメリカという甘美な幻想

南カリフォルニアはオレンジ郡に住むオヤジです。妻共々サラリーマンでしたが、2011年にグリーンカードが当たり、アメリカへの憧れに抗しきれずに2012年10月に移住してきました。個人輸入代行やコンサルタントを生業にした後、2016年からは会社員(人事、法務など)に。移住する遥か前から積み重ねてきた様々な「アメリカ体験」も含めて文章に残すためにこのブログを書いていますが、会社員復帰以降は忙しすぎて更新は稀に。。。面目ない。

アリソビエホ

OC(オレンジカウンティー)賛歌

やたらお久しぶり。今日は忙しいとかそういう話は一切抜きにして、表題通り僕が住むオレンジカウンティー(OC)を賛美しようと思う。

 

さてさて。大谷がアナハイムに来る。アナハイムまで車で30分の所に住む僕には素晴らしい話だ。ドジャースには前田とダルビッシュがいるけれど(ダルは今後どこに行くか不明だが)、LAのダウンタウンにあるドジャースタジアムまでは車で1時間半はかかり、往復3時間の他に球場を出るときの渋滞なんかも考えるとなかなか行く気が起きなかったが、アナハイムは近いし、何より球場の雰囲気が非常にいい。

 

4年前、遠路はるばる東京から遊びに来てくれた大学時代からの旧友とその夫人とともにアナハイムに野球を観に行った時、その美しさ、そして人の優しさには本当に驚いたものだった。


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2013年夏。アナハイムのスタジアム。


何しろ駐車代を払うブースに車を止めて財布を出そうとしたら、そのブースの逆側に車を止めたお姐さんがブースの窓越しに僕らにウインクしつつ、僕らの分まで代金を払ってくれた。試合観戦前からすでに「いい感じ」で、実際球場に入るとその美しさに感動し、また応援も活気がありながら上品で温かく、ベースボールを楽しんでいる感じが非常に素晴らしかった。

 

でもそれは、ここに5年も住んでみればもう不思議にも意外にも感じない。だって僕が住むAliso Viejoがあり、またこのアナハイムがあるオレンジ郡(OC)はそういうエリアだから。同じ南カリフォルニアでもLA郡とはかなり違う。気候はほぼ同じだけど、街並みはOCの方が整備されている。緑の多さが違う。そして人がどこかおっとりしていてやさしい。


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近所の公園内にあるバーバラ湖。今年の春。湧き水による自然湖。

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近所の道路。今年の春。


 

ところで、大谷に関する報道で「アナハイムを選んだ大谷は、日本人コミュニティーがもたらす日本食やその他有形無形の恩恵を受けられるだろう」的な話が出たのを聞いたり読んだりした人もいると思うが、それはその通りだと思う。

 

で、OCで日本人が最も多いのは恐らくコスタメサという町だ。ここには日系スーパーと日本食屋が集中している。僕も妻も2週に一回は日系スーパーに買い物に行く。即席ラーメン、うどん、和牛、納豆、長ネギ、かっぱえびせん、柿の種、和菓子、サッポロビール、魚肉ソーセージ、牛丼の具要するに「日本のもの」を買いに行くのだ。値段は輸入物は高額。現地製造は安い。ただ、長ネギなど日本人しかほぼ需要がないものは、薄利多売ができないために現地生産でも高い。

 

なお、日本食はコスタメサばかりにおいしい店があるとは限らない。僕(や多くの人たち)は、おいしいカツ丼を食べたいならスタントンというOC内陸の町にある和食レストランまで行くし、おいしい寿司ならばアーバインという町のとあるレストランが頭抜けている。ただラーメンに関しては、コスタメサに限らずアメリカに進出したラーメン屋のラーメンは、日本のそれと比べて値段に見合ったおいしさは出せていないと僕は思っている。

それでもあえて推すとすれば、第一に喜多方ラーメン坂内となる。東京で慣れ親しんできた味をかなり再現できているし、実際坂内が恐らくOCで一番行列が途絶えないラーメン屋となっている(文字通り「いつも」行列ができている)。あとは山頭火。日系スーパー「ミツワ」のフードコートに入っていて、僕自身アメリカに来て初めて食べたラーメンが山頭火だったけど、費用対効果は他のラーメン屋よりはいいと思う。ま、でも食べ物は好みだからあまり参考にはしないでください。

 

 ***

 

ということで、このブログで一貫して言ってきていることだが、本当にOC以上のところはアメリカにはないと僕は思っている(僕は、ですので念のため)。12月中旬の今日も20度を超える気温。青空、青い海、緑多き街並み、そして治安の良さ。まさに全米屈指の住環境がここにはある(と僕は思っている。僕は、ね)。そしてリトル東京を擁するLAや、その南にあるトーランス(恐らく最も日系人が住むエリア)ほどではないが、日系スーパーなどの日本人になくてはならない存在もOCは備えている。僕なんかはそのOCの「丁度いい日本人密度」がむしろ好きだ。だから是非、アメリカに住みたい人はOCを候補に置いてもらいたいと思う。


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冬のラグナビーチ。ここには車で10分かからず来れる。

 

但し。但しだ。このような環境を享受するにはどうしてもある程度金が要るのだ。人気エリアに住むには金がかかる。たとえば僕が店子に今貸している60平米の1ベッド1バス(日本の1LDKのようなもの)の家の賃料が17万円。これはこのエリアでは破格の部類に入る(ので次回は値上げする予定だ)が、1LDK17万の家賃なんて常識的に言って高すぎるだろう。


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これが今貸している1LDKのリビング。201611月、貸す直前に撮影。


にもかかわらず、子供のいる夫婦なんかは2ベッドに住み、その場合家賃は最低でも22万から25万は払っている。なんでそんな額を払えるのか、払える人がそんなにいるのか正直わからない。勿論そんな金額は払えない人もいて、そういう人たちはアパートをシェアするなどで凌ぐことはできる。が、いずれにせよOCの好環境を享受したい場合はとにかく家の確保で大変になる(それでもシリコンバレーほどではない。あそこでは年収600万ではどんな家を借りても足が出て、生きていけないという。正直狂っている)。

 

ちなみに、3年前、僕が輸入代行業を廃業しようとしていた時はかなり大変だった。何故なら当時の我が家の様々な控除後の手取りは270万円、月平均で23万弱ほどだ。この状況でコミュニティーへの管理費が月4万円、ネット13千円、携帯2台で12千円、車の保険は毎月にならすと2万円、電気代とガス代で3千円(低い!)、ガソリン代が2台分で15千円。これだけで103千円が出て行っている。残り13万円弱。ここから当時がんを患っていた猫の治療費が毎月7万円で残り6万円。さらにここから二人分の食費が出ていくので、何か不意に支出が出ればもう赤字だ。

 

この状況で生きていけたのは、僕らが渡米時に日本での貯金をはたいて家を買っていたため家賃がかからなかったからだ。もしあのとき僕らが家を賃貸せざるを得ない状況だったら、OCはおろかアメリカでの生活自体が成り立たなかっただろう。


 *** 

というわけで、OCで生きていくのには、高い家賃を意識した計画がどうしても必要。これは致し方ないことだ。でもね、僕の暮らすAliso Viejoは、面積19.4平方km、人口5万人ほどなのに、公園が20以上もあって、しかもその公園は「なんちゃってレベル」の規模ではなくて、全てが広く、全てが芝生で覆われ、手入れも常に行き届いている。


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うちのすぐそばにある公園の一つ。うちから500メートル以内に公園が5つほどある。


というか、Aliso Viejoに限らず、とにかくOCは、特に海側の地域は、一度暮らせば二度と出たくないほどに住みやすくて、だから全米から、そして世界中から住みたいという人が殺到してるわけだ。それだけの価値がOCにはあると僕は思うし、あなたがそれに魅了されたとして何の不思議もない。まあとにかくお越しやす。

猫の喘息とスーパーボール

先週は大変だった。127日火曜日の夜、癌を患っている猫"Pico"が、突然ぜーぜーと口を開け、涎を垂らし出した。呼吸は苦しそうで今にも窒息するのではないかという状態だった。いつもの医者は既に診療を終わっていたがダメもとで電話してみると、提携の救急病院の案内が流れた。この時僕はまだ風邪が治りきっていなかったがそんなことを言っている場合ではなく、急いでPicoをそこに連れて行き、喘息の発作ということで一晩入院治療を受けさせた。

 

翌朝退院は出来たのだが、今後Picoは喘息の症状とも生涯おつきあいする前提で生きていくこととなった。癌に加え喘息。何の罪もない猫にあまりにひどい仕打ちではないか。僕らのPico関連の医療費も既に半年で50万円近くなり(この一晩の入院だけで75千円かかった)生活はますます厳しい。神がいるのなら苦情を入れておきたいと思う。

 

ところでおとといの21日日曜、アメリカは全国的にスーパーボールで盛り上がっていた。視聴率は49.6%だったとのことで、近所のあちこちでTV観戦している人たちの歓声が聞こえた。アメフトに関心がない僕ら夫婦はその時間普通に出かけて、近所の郡立自然公園を散策したりスーパーに買い物に行ったりした。道路はガラガラ、駐車場もガラガラ、店内もガラガラだった。

 

「近所の郡立自然公園ってなんのことだ?」、とお思いになる方もいるかと思うが、ウチから歩いて10分の所に結構な自然を残した公園がある。名前は「Laguna Coast Wilderness Park」といい、コヨーテやボブキャットも生息する公園だ。僕の住むAliso Viejoは海と緑と都市機能を日常的に気軽に堪能できるので、住むならマジにお勧めする。

  

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本当にここがウチから歩いて10分にある公園 
 
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この池の奥(山のふもと)には、写真では見えないが州道133号線が走っている

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公園の北端。住宅地として開発された地域と手つかずの自然が壁一枚隔てて共存する
 
 

僕らが日本にいた時もスーパーボールのニュースは流れていたとは思うけど、このアメリカだけで極端な人気を誇る究極のガラパゴス競技への人々の熱狂ぶりは、日本にいては全然実感が出来なかった。ことに今回のスーパーボールはボストン対シアトルだったので、南カリフォルニアには何の関係もない。だからここまで近所の人々が熱狂するなんていくらなんでも想像できなかった。

 

このスーパーボールの熱狂は思わぬところでもうかがい知れた。自宅でTV観戦する人を当てこんで、スーパーが過去最大級の特売していた。1月に入ってコーラなど清涼飲料水が、12缶入りひと箱あたりの価格でいつもの倍以上(税抜き2ドル程度が4ドル以上)になるなど急騰していたのだが、スーパーボールウィークになったら1.99ドルになっていた。その他のものもこれまで見たこともない安値になっていた。アメリカは極端すぎる。「中庸」を知らんのか。

 

また、昨日の22日月曜はうちのエリアのゴミの収集の日だが、収集車は終日来なかった。そして今日火曜日の朝7時ごろ、いつもより1時間早くけたたましい音で収集車がやってきて、ゴミ置き場いっぱいのゴミを運んで行った。こんなこと初めてだ。恐らくスーパーボール観戦者が日曜に出したゴミが多すぎて、月曜中に収集しきれなかったのだろう。

 

日本の独自の商品や文化を揶揄するように「ガラパゴス」と言うことがあるが、アメリカだって一緒だ。アメリカ人全てがグローバルな視点でものを考え行動するとか、そんなことはありえないし、そもそもガラパゴスだからといってそれがすなわち「悪」であるということにはならない。むしろ絶滅しないように労わりたいとさえ僕は思う。

 

ただ、ペットを含めた医療費の高さだけはマジに勘弁してほしい。アメリカの医療費は「フツー」じゃない。あ、「アメリカの物価-高いもの編」をそろそろ書かなきゃ。

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