まだタバコの話し続けるの?とお嘆きのあなた。これで終わりです。

 

前回は禁煙のことを偉そうに書きましたが、僕は手術から1年経過して以降は「Occasional Smoker(非常習的喫煙者)」だったんです。

 

ある日、友人にもらってタバコを吸ったんです。もう「痰が絡むこと」も怖くなかったから。喫煙をやめたいと思っていたわけではなかったのに脅されて(?)止めることになったのが少し癪だったから。でもまあ、家に帰ってまで吸えないし、吸いたいわけでもないのでそれで終了しました。

 

その後、渋谷かどこかで友達を待っていた時、暇をつぶそうとして自分で買って吸ってみました。普通に「うまい」と思いました。でもやっぱり家で吸えないし休日は妻と一緒で吸えないし、そもそも常習したいモチベーションもないからそれっきり。

 

ただし残ったタバコもライターも、またいつか吸えるタイミングで吸おうと考えたので捨てませんでした。そしたら、普通にタバコがなくなったら買うようになり、そんな感じで僕は俗にいう「Occasional Smoker(時折タバコを吸う人)」になったんです。

occasional smoking
 Occasional Smokerでヒットした画像。アメリカにはOSがかなり多いと思う。

この定義は「旅に行くと吸う(ラスベガスなんかに行くとそういう人が山ほどいます)、週末だけ吸う、逆に平日だけ45本程度吸う」といった喫煙者です。僕の場合、友人と週末に飲みに行ったりすると吸う感じでした。「普段酒は飲まないけど、飲み会に参加した時くらいは飲む」っていう人と一緒です。

 

201210月の渡米後数年はアメリカの地では一切タバコは吸わず、たまに日本に帰っているときに吸うくらいでしたが、2016年にサラリーマンになってからはアメリカでも吸い始めました。日本の時とは逆で、週末ではなく平日に、一日4本吸う感じです。ちなみに、僕の吸っていたタバコは1箱税込みで6.73ドルでした。今の相場で約750円ですね。1本あたり37.5円、14本で約150円、言うまでもなく1週間で750円、月額で約3000円を使っていました。

 

きっかけは、ストレスを感じている状態から脱する方法として、休憩時にタバコを吸うのは効果的なんじゃないか、と思ったことでした。頭を切り替えたりするためにコーヒーブレイクを取ることがありますよね。それよりもタバコのほうがいいんじゃないかと思ったんです。僕にとって「サラリーマンとして生きること」は本当に折り合いをつけるのが難しいことだったので、この一時逃避の時間を充実させることは本当に重要だったんです。

 

じゃあもう常習状態じゃないかって?いいえ、僕がタバコに求めていたのは「ニコチンがもたらす快感」ではなく、現実逃避できる効果的な「シチュエーション」です。これがOccasional Smokerたる所以なわけです。自宅にいたり週末の休みのときは「タバコを吸うシチュエーション」じゃないから吸わないんです。

 

だったらタバコじゃなくてもいいんじゃない?と言う方。それはそうなんですが、「紫煙をくゆらす」という方法によって「3分だけ頭を空にする」ことは僕には可能でしたが、ガムやキャンディーやコーヒーでは切り替えがうまくいかなかったんです。だからタバコを吸ってみたし、それがうまくいったのでタバコを手段にした。そういうことなんです。

 

いいえ、常習してませんてばw 自分から喫煙や禁煙の話題を持ち出した挙句嘘ついても意味ないでしょ。これまでだってずっと「吸った」「吸っていた」という風に過去形で書いてきたでしょ?実際僕はもうOccasional Smokerですらないんですから。

 

僕が脳の初期化のために平日一日4本のタバコを吸っていたのは425日までのことです。それ以降1本も口にしてはいませんよ。何故って、僕にとって大事だったはずの「現実逃避できるシチュエーション」が、僕の中ではもう無用なものになったからです。「14本でもやっぱ健康に悪いじゃん」というデメリットへの自覚が、「休憩中にタバコを吸って頭を空っぽにするメリット」に勝ったからです。

 

きっかけは今年の年初から4月までの自分の健康状態が普通じゃなかったからです。風邪のような症状が12週間おきにぶり返し続けた上、4月中旬に本物の風邪を引き、38.6度まで熱が出ました。こんな高熱、23歳のインフルの時以来でした。喫煙との因果関係はゼロですが、この間顎関節症になったりもしました。

 

426日から有休をとって妻と旅行をしようとしていた僕は、そうした大事な楽しみが自ら招いた不健康さによって奪われることのバカバカしさを自分事としてとらえ、「タバコ(シチュエーション)のメリットなんか要らない」と心底思いました。

 

自分が最高の価値を置く楽しみと仕事中の現実逃避のためのタバコ。優先する方がどっちなのかは自明でした。そこで、425日をもってタバコを吸うのを止めたのです。なお、Occasional Smokerですから禁断症状はありません。もしあったら、それはその定義からずれています。

 

というわけで、前回のエントリーと同じようなことを言いますが、タバコは止められます。そのデメリットが自覚できたならいつでも。たかが2週間の禁断症状の辛さなんて、その後の人生を健康に送れる可能性を引きあげられることのメリットを考えたら屁でもないはずです。

 

なのに、理屈ではわかっていても禁煙できないということは、離脱症状に容易に負けるだけの自覚しかないってことです。肺癌の画像を何回見せられたところで他人事のうちは他人事です。「あなたの自覚」はあなた自身が形成するしかないのです。

 

そうそう、結果的に僕の風邪のような症状は恐らく花粉症だとわかりました。東南部への旅行に行っている間、「いつもの不快症状」が全く出なかったのに、カリフォルニアに戻ったらすぐに復活したことで確信したんです。東南部には存在しなかったけれど、今年カリフォルニアで大量に、かつ長期に咲いている花が存在します。次回はそいつの正体を晒しましょう(まだアメリカ東南部の話に行かないという…)。