アメリカという甘美な幻想

南カリフォルニアはオレンジ郡に住むオヤジです。妻共々サラリーマンでしたが、2012年10月に移住してきました。個人輸入代行やコンサルタントを生業にした後、2016年からは会社員に。移住する遥か前から積み重ねてきた様々な「アメリカ体験」も含めて文章に残すためにこのブログを書いていますが、会社員復帰以降は忙しすぎて更新は稀に。自由の国、アメリカを含めた全体主義への流れ。これを絶対に食い止めましょう!

2017年12月

年末に思う

アメリカは23~25日が「土日クリスマス」の3連休である。金曜時点で会社があるビルの駐車場はスカスカで、この時点で多くの人がもう年末休暇モードに入っていることがわかった。あ、珍しいでしょ?十日を置かずに僕がブログを更新するなんて(笑)。

 

実は今日は朝5時に起きて東京に行く妻をLAXまで送っていった。LAXに行くのに使ったインターステート405号線はクリスマスイブの早朝ということで流石に空いていたし、LAXで妻を降ろすときも空港(トムブラッドレー)の利用航空会社の入り口前に簡単に車を停められたけれど、それから少し時間が経てばLA脱出組と観光組でLAXはごった返し、405も混むんだろうと思う。

 

さて、かく言う僕も、実は明日東京に向かう。夫婦で(妻の)両親に顔見せするのは久方ぶりで、この帰国の目的の99%は「高齢の両親に対する親不孝状態の一時的解除」にある。で、このブログは日本の友人知人、兄弟姉妹、親戚縁者が読んでいる可能性があるので申し上げておくが、正月の家族団欒と東京の自宅の修繕やら何やら高齢の親が普段出来ないことをしてあげることが本帰省の目的であるため、皆さんにお会いできる時間を確保することは事実上できない。そのため、事前にこの帰省をお知らせすることはあえてしなかった、ということをご理解頂ければ幸いだ。

 

 ***

 

2017年が間もなく終わる。サラリーマンに戻って丸2年。「忙しい忙しい」とほぼ毎日言っていた2年間だった。そしてこの1年は、自己決定権に基づき自らを自らが御する人生を求めてアメリカに来たのに、結局サラリーマンに戻った自分の人生に大いなる疑問を持った年だった。そして疑問を持ったまま人生を終えないために、自己決定権に基づく人生の再構築を誓った1年だった。

 

愛してやまないOCに住めているこの状況を捨てる気は全くなく、今後とも「サラリーマン脱出計画」はこの地で、かつ生活の糧を維持するためにサラリーマンを継続する中で遂行されていくことになる。その際、唯一最大の敵は自分自身だ。とにかく忙しさと経済的安定を失うことへの恐れ(による現状への妥協)という自分の中に住む2大抵抗勢力に勝てるかどうか。それがこの計画を徐々にでも着実に進めるための鍵だ。計画を進める意思と実行、それなくば、僕はずっとサラリーマンでいるしかない。しかしサラリーマンとしてずっとOCに住んでいられていても、やはりそれは100%の本意ではない。いつやるの?今でしょ。流石にもう古いか。。。

 

 ***

 

おっと、生活手段がサラリーマンであることに何ら問題ない人にも申し上げたい。それはそれで全く構わないし、実際そういう人がこっちでも圧倒的多数派だ。起業して生計を立てている人なんて少数派だし、それで経済的に安定している人は更に少なくなる。僕はまさにその少数派として3年暮らし、多数派として2年をこの地で過ごしたけれど、あなたがアメリカでの生活と自己決定権とを強く結びつけている僕のような人間でなければ、是非サラリーマンとして生きるための計画を練り、実行してください。今アメリカは、ことにカリフォルニアは本当に好景気。日系企業も含め、雇用環境は良好。そして前回のエントリーで、そしてこのブログで何度となく書いたように素晴らしい住環境がここにはある。僕が愛してやまない荒涼たる砂漠を貫く一本道も。


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A desert road from Veags to nowhere (2017年4月8日)

だから、アメリカで暮らすことに興味があってこのブログを読んだあなた。その思いが本気かどうか自問自答し、本気だと結論が出ているなら、是非実行を。人生は一度。失敗込みで人生。そう思える人は実行を。「やらなかった人生」を後から悔やむより、やって失敗した方が恐らくマシと思え、かつ「やって失敗」という結果が出た時に、その事実を自ら引き受ける覚悟があるなら実行を。宝くじは買わなきゃ絶対損しないけれど、当たることも絶対ない。それを踏まえ、当たるために少々の損を覚悟できるのなら実行を。


来年はどんな1年になるかな。いや、どんな1年になるかは、僕次第か。 

それでは皆さん、良いお年を。

OC(オレンジカウンティー)賛歌

やたらお久しぶり。今日は忙しいとかそういう話は一切抜きにして、表題通り僕が住むオレンジカウンティー(OC)を賛美しようと思う。

 

さてさて。大谷がアナハイムに来る。アナハイムまで車で30分の所に住む僕には素晴らしい話だ。ドジャースには前田とダルビッシュがいるけれど(ダルは今後どこに行くか不明だが)、LAのダウンタウンにあるドジャースタジアムまでは車で1時間半はかかり、往復3時間の他に球場を出るときの渋滞なんかも考えるとなかなか行く気が起きなかったが、アナハイムは近いし、何より球場の雰囲気が非常にいい。

 

4年前、遠路はるばる東京から遊びに来てくれた大学時代からの旧友とその夫人とともにアナハイムに野球を観に行った時、その美しさ、そして人の優しさには本当に驚いたものだった。


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2013年夏。アナハイムのスタジアム。


何しろ駐車代を払うブースに車を止めて財布を出そうとしたら、そのブースの逆側に車を止めたお姐さんがブースの窓越しに僕らにウインクしつつ、僕らの分まで代金を払ってくれた。試合観戦前からすでに「いい感じ」で、実際球場に入るとその美しさに感動し、また応援も活気がありながら上品で温かく、ベースボールを楽しんでいる感じが非常に素晴らしかった。

 

でもそれは、ここに5年も住んでみればもう不思議にも意外にも感じない。だって僕が住むAliso Viejoがあり、またこのアナハイムがあるオレンジ郡(OC)はそういうエリアだから。同じ南カリフォルニアでもLA郡とはかなり違う。気候はほぼ同じだけど、街並みはOCの方が整備されている。緑の多さが違う。そして人がどこかおっとりしていてやさしい。


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近所の公園内にあるバーバラ湖。今年の春。湧き水による自然湖。

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近所の道路。今年の春。


 

ところで、大谷に関する報道で「アナハイムを選んだ大谷は、日本人コミュニティーがもたらす日本食やその他有形無形の恩恵を受けられるだろう」的な話が出たのを聞いたり読んだりした人もいると思うが、それはその通りだと思う。

 

で、OCで日本人が最も多いのは恐らくコスタメサという町だ。ここには日系スーパーと日本食屋が集中している。僕も妻も2週に一回は日系スーパーに買い物に行く。即席ラーメン、うどん、和牛、納豆、長ネギ、かっぱえびせん、柿の種、和菓子、サッポロビール、魚肉ソーセージ、牛丼の具要するに「日本のもの」を買いに行くのだ。値段は輸入物は高額。現地製造は安い。ただ、長ネギなど日本人しかほぼ需要がないものは、薄利多売ができないために現地生産でも高い。

 

なお、日本食はコスタメサばかりにおいしい店があるとは限らない。僕(や多くの人たち)は、おいしいカツ丼を食べたいならスタントンというOC内陸の町にある和食レストランまで行くし、おいしい寿司ならばアーバインという町のとあるレストランが頭抜けている。ただラーメンに関しては、コスタメサに限らずアメリカに進出したラーメン屋のラーメンは、日本のそれと比べて値段に見合ったおいしさは出せていないと僕は思っている。

それでもあえて推すとすれば、第一に喜多方ラーメン坂内となる。東京で慣れ親しんできた味をかなり再現できているし、実際坂内が恐らくOCで一番行列が途絶えないラーメン屋となっている(文字通り「いつも」行列ができている)。あとは山頭火。日系スーパー「ミツワ」のフードコートに入っていて、僕自身アメリカに来て初めて食べたラーメンが山頭火だったけど、費用対効果は他のラーメン屋よりはいいと思う。ま、でも食べ物は好みだからあまり参考にはしないでください。

 

 ***

 

ということで、このブログで一貫して言ってきていることだが、本当にOC以上のところはアメリカにはないと僕は思っている(僕は、ですので念のため)。12月中旬の今日も20度を超える気温。青空、青い海、緑多き街並み、そして治安の良さ。まさに全米屈指の住環境がここにはある(と僕は思っている。僕は、ね)。そしてリトル東京を擁するLAや、その南にあるトーランス(恐らく最も日系人が住むエリア)ほどではないが、日系スーパーなどの日本人になくてはならない存在もOCは備えている。僕なんかはそのOCの「丁度いい日本人密度」がむしろ好きだ。だから是非、アメリカに住みたい人はOCを候補に置いてもらいたいと思う。


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冬のラグナビーチ。ここには車で10分かからず来れる。

 

但し。但しだ。このような環境を享受するにはどうしてもある程度金が要るのだ。人気エリアに住むには金がかかる。たとえば僕が店子に今貸している60平米の1ベッド1バス(日本の1LDKのようなもの)の家の賃料が17万円。これはこのエリアでは破格の部類に入る(ので次回は値上げする予定だ)が、1LDK17万の家賃なんて常識的に言って高すぎるだろう。


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これが今貸している1LDKのリビング。201611月、貸す直前に撮影。


にもかかわらず、子供のいる夫婦なんかは2ベッドに住み、その場合家賃は最低でも22万から25万は払っている。なんでそんな額を払えるのか、払える人がそんなにいるのか正直わからない。勿論そんな金額は払えない人もいて、そういう人たちはアパートをシェアするなどで凌ぐことはできる。が、いずれにせよOCの好環境を享受したい場合はとにかく家の確保で大変になる(それでもシリコンバレーほどではない。あそこでは年収600万ではどんな家を借りても足が出て、生きていけないという。正直狂っている)。

 

ちなみに、3年前、僕が輸入代行業を廃業しようとしていた時はかなり大変だった。何故なら当時の我が家の様々な控除後の手取りは270万円、月平均で23万弱ほどだ。この状況でコミュニティーへの管理費が月4万円、ネット13千円、携帯2台で12千円、車の保険は毎月にならすと2万円、電気代とガス代で3千円(低い!)、ガソリン代が2台分で15千円。これだけで103千円が出て行っている。残り13万円弱。ここから当時がんを患っていた猫の治療費が毎月7万円で残り6万円。さらにここから二人分の食費が出ていくので、何か不意に支出が出ればもう赤字だ。

 

この状況で生きていけたのは、僕らが渡米時に日本での貯金をはたいて家を買っていたため家賃がかからなかったからだ。もしあのとき僕らが家を賃貸せざるを得ない状況だったら、OCはおろかアメリカでの生活自体が成り立たなかっただろう。


 *** 

というわけで、OCで生きていくのには、高い家賃を意識した計画がどうしても必要。これは致し方ないことだ。でもね、僕の暮らすAliso Viejoは、面積19.4平方km、人口5万人ほどなのに、公園が20以上もあって、しかもその公園は「なんちゃってレベル」の規模ではなくて、全てが広く、全てが芝生で覆われ、手入れも常に行き届いている。


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うちのすぐそばにある公園の一つ。うちから500メートル以内に公園が5つほどある。


というか、Aliso Viejoに限らず、とにかくOCは、特に海側の地域は、一度暮らせば二度と出たくないほどに住みやすくて、だから全米から、そして世界中から住みたいという人が殺到してるわけだ。それだけの価値がOCにはあると僕は思うし、あなたがそれに魅了されたとして何の不思議もない。まあとにかくお越しやす。

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