アメリカという甘美な幻想

南カリフォルニアはオレンジ郡に住むオヤジです。妻共々サラリーマンでしたが、2012年10月に移住してきました。個人輸入代行やコンサルタントを生業にした後、2016年からは会社員に。移住する遥か前から積み重ねてきた様々な「アメリカ体験」も含めて文章に残すためにこのブログを書いていますが、会社員復帰以降は忙しすぎて更新は稀に。自由の国、アメリカを含めた全体主義への流れ。これを絶対に食い止めましょう!

2015年03月

岐路

アメリカに移住すると決断したとき、どうやって金を稼ぐかということは大問題ではなかった。何故なら移住したらiPhoneを中心に個人輸入代行を生業にすることに決めていたからだし、もしそれがコケたとしても基本何をやってでも生きていく覚悟があったので、「とにかくまずは移住する」と決めていたからだ。

 

実際には日本でのアメリカ版iPhoneへの需要の大きさについて確信があったし、ここでお客様の一定の支持を得られれば生きていけると思ったし、事実2012年秋にアメリカに移住して以降これまではそれでやってこれた。

 

しかし、iPhoneの需要は発売されてから3か月間がピークで、残りの9か月の売上は激減する。勿論この9か月の間の売上を増大させるべく色々な施策は試してみたけれど、なかなか思ったような結果は得られなかった。そうこうするうちに日本でもSIMフリーが出、円安は益々進行し、「カツカツの生活」さえ維持するのは簡単ではなくなり、これを打破するために何か新たなことをしなければならなくなった。これは昨年以来の課題でここでも折を見て書いてきた。

 

以来、僕としては従来の輸入代行業を強化するか、もしくは新たに移住コンサルティング会社や旅行案内会社を興すか、または、アメリカ人の需要を汲むという方向性でJapanese Curryの店を興すことを考えていたのだが、実は僕は、今日から全く違うことをやり始めた。

 

詳しいことは秘密保持の義務があって言えないが、僕が日本でサラリーマンをしていた時のコアスキルを活かした仕事だ。但し、サラリーマンではない。契約は年末まで。

 

フリーランスなので今の代行店を畳む必要はないのだが、この仕事は片手間できるものではないので、代行業務は縮小し、基本iPhoneの代行以外は行わないことになる。また、今年の9月に新型iPhoneが発売されるだろうが、この代行をこれまで通り行うかどうかは現時点では流動的だ。

 

ところで、この決断をする際妻に「本当にやりたいことは何?」と聞かれた。僕は「僕が出来ることをやりたいだけ」と答えたが、妻にはピンと来なかったようだ。具体的な仕事の内容や職種を言うものだと期待したのだろう。もしかすると、これを読んだあなたにも意味がつかめないことかもしれない。しかし、僕は一貫してこの考えだ。

 

      やれることをやった結果、それに満足してくれる人がいる。

      それ以上にやりたいことは特にない。

 

僕は実家が負わされた巨額の連帯保証債務を契機に1985年に大学を3年で中退した。その後塾の講師から作詞作曲家になり、1999年に廃業後通訳を経て人事・法務マンになり、2011年にグリーンカードが当たって今の代行業を行っているが、経験した複数の仕事のいずれについても「やりたいからやった」のではない。「やれるからやった」のだ。

 

いや、僕が一時生業にした音楽家業は純粋に「やりたいこと」だったのかもしれない。そして「本当にやりたいことは何?」という質問への、前提条件なしでの答えは今でも「音楽」だ。だが、もし今そう言えば妻はより当惑するに違いない。それでどうやって食っていくのかと言えば、食える保証など何もないからだし、そんなものをいつまでも「やりたい」と言い続けることは周囲の誰にとっても迷惑でしかないだろう。そもそもそんな「迷惑行為」を続けるメンタリティーは僕にはない。趣味ならいい。しかし趣味を楽しむには生活の糧が別に必要だ。

 

「なんでもよかったわけではないでしょう?」と聞かれれば、それはその通りだ。音楽家業はもとより塾講師、通訳、そして人事法務の仕事。その全ては自ら選んでいるのであって何でもよかったわけではない。しかし、どの仕事の場合でも、その職種についたことで自動的に満足が得られるわけではない。

 

塾の講師なら生徒父兄の支持があって満足できる。通訳をしているのに外人さんに「アナタ、何言ッテイルカワカラナイヨ」と言われて落ち込まないはずはない。というか翌日はクビだ。人事や法務についても、その仕事を通じて成果を上げていないのに喜べるはずがない。

 

そう、要は成果だ。他人様が喜ぶから、他人様が頼りにしてくれるから自分が生きる。報酬が生まれる。自分の仕事に意味が生じる。だから、「やりたいことをやってます。でも何ら成果を生んでません」などということは精神的にも経済的にも続けられるはずがない。そしてそもそもそんなものは「やりたいこと」にしておきようがない。

 

iPhoneの個人輸入代行も「僕が出来ること」の中から選んだものだ。お客様の支持を得られる自信があったからやったのだ。支持されることが嬉しいからこれまでやり続けたのだ。だが、今のiPhoneや為替相場を取り巻く環境では早晩終わりが来る。だから僕はまた「自分が出来る新しい何か」をやり、支持を受け、対価を得、更に生存していかないといけない。それがこれから行う仕事だ。

 

この仕事が終わったら何をするのか。いや、簡単。「また出来ることをやる」だけ。今後も生きていけるレベルの対価を頂けるものを。それが「移住コンサルティング会社」なのか「観光案内会社」なのか「カレー屋」なのか「ハイパー輸入代行屋」なのか「引き続き会社員時代のスキルを活かした今の仕事」なのか「タクシーの運転手」なのか、はたまたサラリーマンなのかはわからない。わからないが、そこには自分なりの理想や都合はあるから、出来るだけ希望に沿ったことが出来るように「準備」はしておくつもりだ。

アメリカで車を運転するということ

既に昨年から円安の傾向は顕著であり、輸入代行業からの業態転換などをしなければ早晩立ちいかなくなることは自覚していて、生きていくためにどのようなことをすべきかずっと模索を続けてきたが、ここしばらくずっと1ドル121円台が続きいよいよ待ったなしの状況になってきた。だからブログなどのんきに書いている暇はないのだが、配送会社の集荷員氏を待つ間、ちょっと現実逃避をしようとこの文章を書いている。

 

アメリカに住んで2年半、僕はアメリカでの運転の怖さを本当に実感している。住んでいる地域にもよるのだろうが、アメリカ人の運転が信用できないのである。交通量が多い南カリフォルニアはただでさえ危険が多いのに、彼らは飛ばす。支線から本線への合流も1キロ間隔であるのに、彼らは飛ばす。うまいと思っているのかいい気になっているのか知らないがはた迷惑である。

 

運転中のメールは高額の罰金が科されるのに平気でやっている。無保険車両は違法なのにそうする者も少なくなく、こういう人に車をぶつけられたり怪我を負わされたすることが少なからず発生するため、保険には「相手が無保険の場合」というオプションがある(ちなみに日本のような自賠責保険の仕組みはない)。当然このオプションをつければ保険料は更に高額になるが無保険の者はそもそも資産がないので、ぶつけられ損で泣き寝入りをしないためには加入せざるを得ない。本当にはた迷惑である。

 

アメリカに旅人として訪れていたころの僕は、このようなことを考えたことはなかった。日中の空いている時間に、田舎道を快適にドライブすることが多く、都市部のラッシュ時や夜に走る際の危険性をそこまで感じる機会がなかったからだ。

 

むしろ自分の運転が気になってしょうがなかった。初めてレンタカーを借りた2002年には、以下のような「苦難」があった

 

 1)運転中どこを走っているかの感覚がつかめず、車線の右側にどんどん
   ずれていってしまう。


 2)ワイパーとウィンカーのレバーの取り付け位置の違いに慣れず、方向を
   示すつもりでウインカーを作動させてしまうことが数十回あった。


 3)左折した際、対向車線に入ってしまうことが数回あった。

 

恐ろしいのは3)で、左折が小回り、右折が大回りである日本の感覚のまま左折すると、漏れなく対向車線に入ってしまう。「クレイジー!」という顔で見られることの恥ずかしさなどどうでもいい。これは事故につながる可能性が非常に高い最悪のミスなのであって、乾いた砂漠の真ん中でワイパーをジャリジャリと回してしまう間抜けなミスとは次元が違うからだ。

 

実際日本での「右ハンドル左側通行」への慣れは厄介だ。2006年、既に5回目のドライブ旅行でのことだが、僕はユタ州のGreen Riverという小さな町で対向車線を逆走してしまった。夕方、サンドイッチでも買おうかと、人気のないメインストリートをスーパーはないかときょろきょろしながらゆっくり走っていたのだが、この時見事に対向車線を走っていたのだ。

 

結局長さ500mほどのメインストリートの端まで来てしまった時に警察に停止を命じられたのだが、同乗した妻も僕も指摘を受けるまで対向車線を逆走していたことに全く気づかなかった。警察官は日本からの不慣れな旅行者ということで大目に見てくれたが、5回目のドライブ旅行でもまだこんなミスを誘発してしまう「慣れ」の恐ろしさを再確認させられた事件だった。

 

こんな経験から自分の運転に対して全く過信しなくなった僕は、「セレブ」を怪我させたり数千万の車にぶつけたりしないようアメリカ移住後一層慎重に運転するようになった。だから都市部を無謀に飛ばしたりメールをしながら運転するなどの馬鹿な真似は1ミリも発想することはない。しかし残念ながら、いくら自分が気を付けても「馬鹿」は周りに結構いて、いつ巻き込まれるかわかったものではないのだ。

 

これからアメリカに住む方。是非満喫してほしいが、自分の運転への過信と相手の運転への過剰な信頼はどちらも危険だ。レンタカーでドライブ旅行を計画中の方。日本での運転歴が長いほどに潜在的な事故リスクが高いことを自覚し、アメリカ、特に都市部においては超慎重に運転されたい。


それにしても今日は今年最高の抜けるような青空だ。気温も30℃を越えてきそうだ。窓から入ってくる乾いた風が心地いい。この地に住み続けるために努力と工夫を惜しまない覚悟はある。あとはそれが成就するか、だ。

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